ワールドフォトプレス社刊 フィギュア王110号(2007年3月24日(土)発売) の海洋堂リボルテックの記事内で、5月1日発売のリボルテック・セイバーを使用したデジラマ合成画像の作製と、 リボルテック・セイバーのポーズ写真およびパーツ写真の撮影を担当させていただきました。 リボルテック・セイバー自体の写真はここでは掲載できませんが、作製した合成画像の解説などを つづってみようと思います。 |
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合成画像の内容は、編集さまとの打ち合わせの結果「夜景で行きましょう」ということになりまして、 私はそのコンセプトとして「Fate/holllow ataraxia」のクライマックスシーンを選びました。 黄泉の闇より尽きることなく這い出でて無限に増殖し、深山町を真っ赤に埋め尽くす骸の軍勢。 それを迎え撃つ、聖杯戦争を戦ったマスターとサーヴァント達。 だが、彼等の奮闘を持ってしても、まさに無限の存在である骸を殲滅しきることなど出来なかった。 そして、ついにその目的の地「塔」を目前にした骸どもの軍勢はしかし、 塔を囲んだ黄金の風の作り出す不可視の壁と、その前に立ち塞がる絶対不落の守護者に、 その侵攻を完全に阻まれるのだった… というようなシーンです。 と、ここでまずエクスキューズ! 掲載されている合成画像では、セイバーの持っている剣が正しくありません。 ゲーム画像ではセイバーはこのシーンでエ○○○○○ーを使っているのですが、このリボルテック・セイバーに付属しているのは彩色済みのカリバーンと、クリア素材で成型されたエ○○○○○ー不可視Ver.。 彩色済みのエ○○○○○ーはついておりません。 クリアな剣では絵的にサマになりませんし、さらに結局ゲームの内容とも違ってしまいます(風王結界を解放済み)。 ゲームの設定と絵をできるだけ再現したかったのですが、掲載の合成画像では、ビジュアル優先で色のついているカリバーンのほうを使用しています。 べっ…、べつに間違ったわけじゃないんだからねっ! さて、戦いの舞台は冬木市新都。 そのゲームの背景に使用されたのはFate舞台探訪でおなじみの千葉県の幕張。 近くですし、合成画像の背景に本物を使用しようと、幕張まで行って撮影してきました。 ゲーム画面 冬木市新都 …のモデルとなったJR海浜幕張駅前からワールドビジネスガーデンのツインタワービルを見たところ。 (アルターの黒セイバーのときに作製した、ゲーム背景にあわせてレタッチし、ビルを一棟削除した画像です) ゲーム内では、この高層ビルの入り口のグラフィックは↓こういう場所になっているのですが、 ここは実際は、まったく別の場所にあるビルの入り口なのです。 ゲーム画面 NTT幕張ビル 正面玄関前 合成画像には足の先から頭までセイバーの全身を収めるのが大前提なので、 当然ながらセイバーの立つ地面とセイバーの背後にあるビルが、画面に入ってくることになります。 しかしその地面はNTT幕張ビルのところ。 背後のビルはワールドビジネスガーデンのツインタワービル。 それぞれまったく別の場所にあるわけでして、ゲーム画面どおりの場所は実在しないのです。 そうなると諦めるか、その風景を作り出すしかありません。 |
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というわけで、錬成。
このように、画像を組み合わせて背景を作りました。 ビルを何枚かに分けて撮影しているのは、印刷用に作る画像には大きなサイズがのもの必要だからです。 たとえば、A4サイズのデータなら3000×4000pixくらい必要なので、これを1枚で済ませるなら、1000メガピクセルクラス以上のデジカメで撮影しないと足りません。 しかし、わたしの持っているデジカメは500〜600メガピクセルクラスなので、このようにあとで繋げることを前提にして、分割して撮影しました。 単純にピクセル数だけを考えるなら、背後のビルこと“ワールドビジネスガーデンのツインタワービル”は2枚分割ですむのですが、レンズによる歪みのせいで2枚の画像の上端と下端はきれいにつながらないものなので、三分割としました。 しかしながら、ビルの壁面はいっさいの歪みを許さぬ直線のカタマリ。 三分割でもまっすぐ繋がらなくて苦労しました。もっとこまかく、五分割くらいにすればよかったです。 |
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こちらは、セイバーの背後のビルの窓に映りこんでいるように合成した画像。 位置的には、「カメラの背後/セイバーの正面にある風景」となります。 かなり作りこんだのですが、画面がゴチャゴチャするのを避けるために、最終的にはぼかして合成したので、なんとなく大変なことになっているのがわかるくらいで、細部はまったく合成画像に反映されていません。 もったいないのでここで晒します。 ちなみに、この大惨事は敵である骸どもの軍勢の仕業ではなく、その軍勢を対軍宝具によってなぎ払ったセイバーの一太刀が引き起こした結果です。 このあとさらに、セイバーの足元に地割れを作ったりして破壊痕を増やしていますが、 セイバーの守る「塔」には当然ヒビひとつ入れないという妙なこだわりをもって完成とあいなりました。 完成画像はフィギュア王110号紙面にてご覧くださいませ。 で、たしかにリボルテック・セイバーを可愛く凛々しくばっちり撮影して合成できたのですが、 印刷の結果というのはディスプレイで見るのと違い、合成した部分のエッジが意外と目立ったりするものなのです。 そのあたりは気をつけて合成したつもりですが、これを書いている時点で私は印刷後の実物を見ていないので、実際に紙面でどうなっているのか、まだわかっていません。 綺麗にできていますようにー。 さて、 アキバHOBBYさんのワンフェス2007冬の記事など、ワンフェスにおける展示を見ただけでもわかるとおり、 リボルテック・セイバーはかなりの自由度と可動範囲を持ったアクションフィギュアなのですが、 そのリボルテック・セイバーを撮影に際していじり倒した私なりの感想も、簡単ですが記しておきます。 なお、私が撮影に使用したのは、スカートの脇に「サンプル」と印刷された発売前の段階の物で、 細部まで製品版と同じとは限りません。あらかじめご了承ください。 リボルテック・セイバーの関節は、ピンを中心に回転する通常の関節(海洋堂のヒジ関節の画像参照)と、リボルバージョイントを使用した関節で、従来のリボルテックに採用されていた山口式可動は組み込まれていません。 なのでさすがにレヴィみたいに“顔の前でヒジをクロスさせる”なんて芸当はできませんが、関節数も多く、ミクロマン的に素直な可動をする良質なアクションフィギュアになっています。 上半身の可動範囲は広く、またごついガントレットを装備した手首は内側に意外なほど動くので、剣を両手持ちしたままでもヒジや肩を動かしていろいろなポーズが作れるなど、自由度が高いものでした。 腰の可動は、画像を見ると胸のアーマーの隙間が小さく、一見ちゃんと動くのか心配になりますが、腰のリボルバージョイントの軸位置が工夫されており、アーマー同士が重なるように動くことで可動範囲をかせいでいます。 セイバーの下半身の可動ですが、大きなスカートのせいであまり動かないのではないかと私は懸念していたのですが、これは実際のところ杞憂で、どうも上半身よりもさらによく動くかもしれません。 スカートパーツは6mmのダブルジョイントで腰に接続されているせいで可動範囲は広く、水平どころか上60度くらいまでハネ上がります。(それ以上は腕に当たってしまう)そんなに上げても仕方がないですが。 試してみませんでしたが、ジョイントを180度まわしたら「茶巾寿司」もできたかもしれません。 スカートの裾を接地させることで三点支持で体を支えることも出来たりするので、不安定なポーズにも対応できて便利です。 そんなわけでスカートは脚の可動の妨げにならず、また、股関節、ひざ、足首に組み込まれたリボルバージョイントのおかげで脚自体の可動も申し分なく、確実かつ豪快に可動するフィギュアになっています。 ためしにやってみたハイキックのポーズもかなり決まってました。 リボルテック・セイバーはトイとして遊べる十分な可動範囲を持ち、なおかつ美しいシルエットを損なうことなく立体化された、いいアクションフィギュアだと思いました。 |
2007年3月23日 0:18:12 TOPへ戻る |