お台場の日本未来科学館にて、2002年10月30日より2003年2月11日まで、 「ゴジラ」シリーズとその科学、そして特殊撮影をテーマにした特別展示が催されています。 ちなみにこの日本未来科学館は「ゴジラ×メガギラス」で、 完成前にぶっ壊されている由緒正しい施設です。(笑) 入り口でお出迎えのメガヌロンさん(2002Ver.)と 普段はラドンのエサのメガヌロンですが、 「ゴジラ×メガギラス」では、これが成長して巨大トンボ怪獣メガギラスになります。 つまりメガヌロンはヤゴ。 人間の体液を吸ったりしますよ。 |
ゴジラと科学展 え〜・・・”ゴジラと科学”といっても、その、 はっきり言ってあのシリーズはあまり科学的とはいえないので(笑)、 実はそのあたりの展示はかな〜りあっさ〜りしています。 その辺はあまり期待なされぬように。 ここは常設展示で科学の先端を真面目に紹介している施設ですから、 たとえば、 ”ゴジラVSビオランテ”を題材にバイオテクノロジーを説明しろって言われても無理なわけです。 ”ゴジラ×メガギラス”を題材に古生代の昆虫を説明しろって言われても困るわけです。 ”ゴジラVSキングギドラ”を題材にタイムパラドックスを説明しろって言われても 「これデタラメですぅ〜」というしかないわけです。 ”ゴジラVSスペースゴジラ”を題材にブラックホールを説明しろって言われても 「ふざけんな!」というわけです。 っていうか”ブラックホール第3惑星”って何よ?ってわけです。 「ゴジラ」シリーズは科学の目で突っ込めない題材ですので、気の毒な話です。 そんなわけで(多分)、展示はおもに特殊撮影技術の進歩とその解説の展示と、 「ゴジラ」シリーズの怪獣の着ぐるみ(正しくは「ぬいぐるみ」)展示がメインです。 特撮技術の展示に関しては、あれは科学的に理屈の通ったものですから、 ハイスピード撮影の理由とか、雨の表現に水滴ではなく細かい砂を使う理由とか、 目の錯覚を利用したミニチュアワークとかが、嬉々として(多分)科学的に説明されています。 特撮好きの私とってはあまりにも基本的なことばかりなので、ちょっと淡白に感じられましたが、 メイキングビデオを見たり、その手の本を読んだりしない人には新鮮だと思います。 |
着ぐるみの展示はいろいろあるのですが、 中でも12月14日から全国東宝系で公開される「ゴジラ×メカゴジラ」の怪獣、 「メカゴジラ」がメインの扱いです。 わたし的には、これを見に行ったようなものでした。 新旧メカゴジラ達 |
身長50m 体重4000トン ブラックホール第3惑星人に作られた 前面に武器が集中装備された侵略兵器。 装甲はスペースチタニウム製。 もしかしてガンダリウム合金と 同じ物でしょうか。 登場作品 「ゴジラ対メカゴジラ」 1974年 武器一斉掃射にゴジラは血まみれ。ゴジラをほぼ倒すところまでいくが、 ゴジラの意外な技で逆転され爆発。 ゴジラの相棒のキングシーサーは周りをうろうろしていただけで、あまり役にたってなかった。(笑) ちよちゃん、「シーサーやくにたってへん」って沖縄語でなんていうの? ドラマがなかなか面白いです。岸田森がカッコイイ! あと、アンギラスはかわいそうだったなぁ。その後も元気でいてほしいです。 「メカゴジラの逆襲」 1975年 前作で爆発したメカゴジラをブラックホール第三惑星人が性懲りも無く修理した2号機。 チタノザウルスとタッグを組んでゴジラにリターンマッチをかける。 強化された武装で再度の猛攻をかけ、ほぼ勝利を収めるも操作側の事情で起動停止し、 あえなくゴジラに破壊される。 相棒のチタノザウルスは役に立ってなかった。 ドラマ(本編)と特撮のからみが良い作品でした。 |
上のは撮影に使われた実物のようです!! パネルの説明には「初代メカゴジラ」とありますが、 展示されていた着ぐるみはメカゴジラ2号機。 まあ1号機に「2」のプレートを張っただけで、着ぐるみは同じモノなんだろうけど。 ちゃんと保存されているのでしょうが、さすがに経年劣化のせいか表面がシワシワでボロい。 でもやはり、レトロなデザインがなんとも良いです。 シルエットがのちのメカゴジラに比べて貧弱なのは、主役のゴジラ自体が貧弱だったから。 当時のゴジラを久しぶりに見たら、歩くたびに首がゆらゆらしてて笑ってしまいました。 |
身長120m 体重15000トン メカキングギドラの未来科学を参考に G−フォースによって作られた 対G兵器。 つまり地球製のロボ怪獣です。 なのになぜか吼えたりします。(笑) 登場作品 「ゴジラVSメカゴジラ」 1993年 飛行メカ・ガルーダとの合体により スーパーメカゴジラとなる。 空を飛びながらの一斉攻撃、 さらには必殺兵器G-クラッシャーにより ついにゴジラを倒す。 が、 それは困るという東宝の意向を受けた ラドンにより復活させられたゴジラに、 逆に倒される。 目が点になりました。 |
展示物は、油圧により、キャノン、腕、口、腰が可動していろんなポーズをとります。 なので撮影に使われた実物ではなく、展示専用のものかもしれません。 油圧可動により「なんでやねん」と突っ込んでいるスーパーメカゴジラさん(120m) |
相対するゴジラにあわせてか、やたらとマッチョダンディーになって帰ってきたメカゴジラ。 身長も120mと、ダイターン3並の巨大ロボです。 今度は悪のロボットではなく、人類防衛のためのスーパーロボット。 しかも前作「ゴジラVSキングギドラ」が伏線になり、 メカキングギドラに使われていた未来の技術で作られたという燃える設定です。 デザインも、初代の直線的なものから、曲面を多用したナメらかデザインに。 これもけっこう好きです。 そんなわけで掴みはとっても良かったんですが、・・・きゃ、脚本がへぼすぎる〜〜。 三枝未希の裏切り者〜!ラドン余計なことすんじゃねぇ〜! ラブコメ眠い〜! |
身長60m 体重40000トン 肩にロケット砲、背中にミサイル、 口にメーサー砲と全身に武器を搭載。 さらに、すべてを一瞬にして破壊する 最終兵器を体内に内蔵している。 (以上オフィシャルサイトより) ・・・です。 な、なに?最終兵器? 登場作品 「ゴジラ×メカゴジラ」 2002年12月14日より 全国東宝系にてロードショウ公開! |
3式機龍(通称メカゴジラ) 1984年の新生「ゴジラ」から始まり1995年の「ゴジラVSデストロイア」で終わった ”VS”シリーズは、ゴジラとG−フォースの戦いを描いた、 同じ世界、同じ設定で続く、連作映画でした。 2000年の「ゴジラ2000(ミレニアム)」も、その流を受けてか なんの説明も無く当たり前のように”対G部隊CCI”とか、 民間の”ゴジラ予知ネット”とかがありましたが、前シリ−ズの続きではないようで、 あの2000ゴジラがどういう位置付けなのかはよくわかりませんでした。 しかし続く「ゴジラ×メガギラス」では全てリセット。 初代ゴジラが倒されなかった世界という設定でした。 こういう事をしたのはゴジラ史上初です。 監督は、初めてゴジラを見た子供にもわかりやすいように、 設定を引きずらずに仕切りなおしをしたかっただけ、らしいのですが、 なんかファンからは「反則だ!」とか賛否両論みたいです。もちろん私は賛ですけど。 この映画では、幾度も攻めてくるゴジラに対して「Gグラスパー」という組織が作られ、 それを率いるミサト隊長とゴジラと戦う姿が描かれます。 そのあとの「大怪獣総攻撃」でも前作を引きずらず、 まったくの新設定で作られた作品ですが、つながり的には初代ゴジラが倒された後の話、 ・・・なのかな?内容からはハッキリしません。 そしてこんどの「ゴジラ×メカゴジラ」、 監督は「×メガギラス」と同じ手塚昌明監督ですが、 本作は「×メガギラス」の続きではなく、また別の設定の作品です。 これは初代ゴジラがオキシジェンデストロイヤーで倒されたあとの世界であるとの、 明確な設定で作られた映画だそうです。 そして、そういう設定でなければならないストーリーであり、 メカゴジラが出てくるのもそういう設定だからこそ、なのだそうです。 なにか裏がありそうな話ですね。 |
3式機龍・頭部 ・・・なんかZOIDっぽいよね。(笑) |
特撮技術関連の展示で、撮影に使われたミニチュアもちょっとだけ展示してあります。 これは「ゴジラ×メカゴジラ」で使用された戦車。90式ですね。 本物はこちら。 新品同様できれいな上に、フラットな積層装甲のせいで本物のほうがおもちゃっぽいかも。(笑) |
ライティングによる、昼と夕景の違いを解説するためのディオラマ。 て、ここまで大掛かりなディオラマにする必要性は全然ナシではありますが、(笑) いやこれはサービス精神の表れでしょう。特撮展示でこういうのがないと寂しいですよね。 私はミレゴジタイプのゴジラが大好きなので、特に嬉しいです。 ビルのミニチュアの実物はけっこうチャチなものだったのですが、 デジカメで撮ってみるとそれなりには見えるものですね。 |
ゴジラ全作品の劇場予告の上映 もはや科学と関係ないですが、嬉しいです。 未来科学館に相当のゴジラ好きの人がいると思わざるをえません。 もしかしたら東宝からゴジラの新作タイアップの企画がきたんじゃなくて、 科学にかこつけて科学未来館側から東宝に企画を持っていったんでは・・・? 画面は「メカゴジラの逆襲」 馬鹿な父親のせいで人生台無しの、ヒロイン桂さんです。 赤いコート姿はマジでかわいいよ〜。 このシーンでは、シルバーの全身タイツというフェティッシュな格好をされています。 |
他にもいろいろ展示がありましたが、メカゴジ関係以外はすべて割愛します。 着ぐるみ展示は、モスラ成虫、キングギドラ2002(ノーマル)、バラゴン、 デストロイア飛行形態、ゴジラ1995、会場の外にメガヌロン、ゴジラ2002(白目) それとあと上の奴(笑)、です。 展示期間が長いので、途中で内容が変わるかもしれません。なので参考までに。 日本未来科学館 新交通ゆりかもめ (新橋駅〜有明駅) 「船の科学館駅」下車、徒歩約 5分 「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分 ■入場料 大人500円 18才以下200円 ※6才以下の未就学児は、引率者1名に付き2名まで無料 これは常設展示分のみの入場料で、 特別展示であるゴジラと科学展を見るにはさらに、 大人 1000円(800円)/18才以下・中学生 700円(500円) 小学生 500円(400円)/幼児 400円(300円) ただし、6才以下の未就学児は、引率者1名につき2名まで無料 ※( )内は前売料金 ・・・が、別にかかります。 常設展示も理系に興味ある人にとってはとても面白いものなので、 そちらも見れば損ではないはずです。 ■開館時間 日、月、水、木、金曜日 10:00〜17:00 土曜日 10:00〜18:00 ■休館日 火曜日、年末年始[12/28〜1/1] |