2000年。 怪獣「タマキ」の度重なる日本上陸。 それにともなう多大な被害を重く見た政府は、 ここに対タマキ用最終兵器「機環(通称メカタマキ)」の開発を決定。 日本を代表する科学者・専門家が集められ計画は開始された。 そして2003年。 再度日本上陸を試みる怪獣タマキに対し、 ついに完成したメカタマキの初の実戦投入が閣議決定。 進攻するタマキの前に発進したメカタマキが立ちふさがる。 決戦の火蓋は切って落とされた!! |
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たまき:がおー!がおー! |
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機環:とあっ!(ズシーン) そこの怪獣、止まりなさい! |
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たまき:がおー!がおー! 機環:止まれって言ってんだよ! こんちくしょう、ツインメーサー砲照射! (びーーーーーー) たまき:あちいっ! あっついなぁもう! ふーっ、ふーっ、ふーっ・・・ 機環:はっはっはっ。驚いたか。 たまき:いきなりなにすんのよう! ん? ・・・見かけない顔だけど、あなた誰? |
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機環:私は貴様のデータをもとに日本政府によって、 貴様を倒すためだけに作られた、3式機環だ! たまき:ええと、つまり・・・ニセモノ? 機環:ニセモノゆうな! たまき:じゃあ、キムタクに対するイヌタクみたいなもの? 機環:そのへんは微妙だが、555ファンの奥様達が聞いたら怒るかもしれん。 たまき:わかった! 要するにあなたはわたしの妹でしょう?そうなのね? おお、はじめまして、生き別れのわが妹よ! さあこっちに来て、「お姉ちゃん!」て甘えていいのよ? 機環:勝手に決めるな! わたしは貴様の妹などではない! たまき:「お姉さま」でもいいよ? 機環:やかましい! いいか、これ以上の進攻は私が許さん! 政府の名にかけて、貴様を倒す! さあ、勝負だ! たまき:え〜〜! ・・・わたしあんまり荒っぽいことは苦手なんだけどなぁ。 女の子同志だしさ、やっぱそういうのよそうよ。ね? 機環:いままでさんざん建築物を壊してわが国に多大な被害を与えておきながら なんだその言い草は!貴様いいかげんにしろ! たまき:だって建物って歩くとき邪魔なんだもん。 機環:ふざけるな! たまき:そうだ、こうしようよ。 お料理対決。 あなたがわたしのデータをもとに作られたんなら、 できるでしょ、お料理。 機環:・・・望むところだ。 私は貴様を全ての面で上回る性能をもっている。 それがなんであれ貴様に負けるはずなどない! たまき:じゃあね、条件がふたつ。 ひとつ。審査員には、わたしとあなたのどちらが作った料理なのか わからない状態で食べてもらって審査してもらうこと。 でないとゼッタイに私が不利だからね。 機環:もっともだ。よかろう。 たまき:もちろんズルなしね。 機環:ズルなどせん! たまき:ふたつめは、審査員のことなんだけど、 ん〜と、・・・おたくの小湊内閣総理大臣さんにやってもらおうかな。 機環:それでこちらも異論はない。 さっそく総理をお呼びして、 我々の勝負の審査員をつとめていただくことにしよう。 たまき:あの〜、私が言うのもなんだけど、総理さんて忙しいんでしょ? 誰か偉い人に相談しないで、あなたが勝手にどんどん決めちゃっていいのかなぁ。 機環:はっはっはっ。かまわん。 私は史上最強の兵器だ。 総理だろうがなんだろうが、私の命令が嫌だとかぬかせば 即刻この国など滅ぼしてやる。 おい、官房長官。なにボヤっしてる。 さっさと総理をここに連れてこんか! たまき:・・・がお〜。この子、怖いよう。 |
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えりか:総理で〜す。 お料理の種類は「デザート」でいいかな。 総理は今ちょっと甘いものが食べたくて。 |
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たまき:いいですよう。 機環:いいだろう。 えりか:じゃあ勝負は5回やります。 第1回戦はアイスクリーム対決ね。 二人とも張り切っていこう! |
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機環:いきなり面倒なのできやがったな。 たまき:ならやめとく? わたしの不戦勝になるけど。 機環:誰もそんなことはいっとらん! よし、始めるぞ! ・ ・ ・ たまき:できました。チョコミントとストロベリーの2段がさね♪ 機環:わたしのソフトクリームもできたぞ! どちらがどちらを作ったのか、 総理にはわからんようにして審査してもらえ。
えりか:ではいただきます。 まず右から、つまり、そっちから見ると左のソフトクリームからいきます。 ふむ。 ・・・味はさっぱりとしていて、 それていて深いコクがミトコンドリアまで染みとおるような味わいですな。 次は左のを。 ふむ。 ・・・うっ、うま〜〜〜っ! 決定!左のアイスの勝ち! 機環:なんだと!? たまき:がお〜〜〜〜♪ わたしのアイスの勝ち〜! 機環:なにを喜んでいる。こんなのはまぐれだ。 戦いはこれからだからな! たまき:がお? のぞむことろですよ? |
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機環:総理、次はなんだ!? えりか:つぎはねえ、和風デザート。 これでいきまっしょい。 機環:いいだろう。 では料理開始。 私はあんみつにするか。 たまき:なににしようかなぁ。 ・・・・・そうだ!氷イチゴで行こう! ・ ・ ・
えりか:では審査します。 まずは右の「あんみつ」から。 ふむ。 ・・・・・・程よい硬さの寒天が舌先で崩れる感じがなんとも。 蜜の甘さはまるで天使達の不思議な内緒話のようですな。 機環:・・・意味わかんねえよ。 えりか:つづいて左の氷イチゴ。 ふむ。 これは上のアイス部分と一緒に戴くのが通ですな。 しゃくしゃく。 うぶっ!う、うま〜〜〜〜っ! 決定!氷イチゴのほうの勝ち! 機環:なにぃ!? たまき:がおがお〜。 やった、連勝! 機環:ふぬぬぬ〜、一度ならず二度までも。 次だ、次! |
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えりか:冷たいものも飽きたので〜、 次はファーストフードなデザート。 では始め! 機環:よし、わかった。 これはドーナツできまりだ。 たまき:ふっふっふっ。私はタイヤキ。 次もいただきだね。 ・ ・ ・
えりか:両方ともおいしそう! では審査します。 まずは右のタイヤキから。 このずしりとした重量感。中身がしっぽまで入ってますな。 ふむ。はむはむ。 うっ、うみゃーよ! あーおいしかった。 つ、つづいて・・・もうほとんど勝負は決まりだけど、左のドーナツも戴こうかな。 さくさく。 ん〜、ハイランドを渡る風のようなさわやかさな歯ごたえでおいしいんだけど このタイヤキにはかないませんな。 決定!タイヤキの勝ち! 機環:ウソ、マジ? またわたしの負け? たまき:がおう! ハイ楽勝3連勝! 5回勝負だから、もうわたしの勝ちは決定だね〜。 ささ、そこどいてわたしを通してちょうだい。 機環:ちっ、違う! 貴様は攻めて来た側、私は守る側だ。 つまり貴様が5回勝って初めて私の負けなのだ! たまき:えっ?なんで? っていうか、意味わかんないけど? 機環:総理、次の勝負はなんだ。 えりか:喫茶店デザート、これでいこう。 機環:あいまいなテーマだな。 まあいいだろう。 たまき:がお〜。なんかズルされた気がする〜。 |
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機環:私はパフェで勝負だ。。 たまき:がお〜。モンブランですよ〜。 ・ ・
えりか:では審査に入ります。 まず、右のパフェから。 ふむ、見た目も美しいですな。 食べる前から口の中に期待感が広がります。ぱく。 ・・・とろけるクリームの小悪魔の小細工じみた濃厚な甘い囁きが 全身を駆け抜けますなあ。 機環:わけわかんねえェつうの。 えりか:続いてこの左のモンブラン。 えりかはこの上のウニウニした部分が見た目に苦手で、 子供のころはこれ嫌いだったんですよ。 では戴きます。 ふむ。 ・・・こっ、この轟き!! 決定!モンブランの勝ちィ! たまき:ぐふふ。ねえ、メカタマキさん。 またわたしの勝ちだよねえ。 ねえ? 機環:くく・・・・、まだもう一戦ある! 聞いて驚け!!なんとラストチャンスでもらえる点数が10倍に! わたしがここで勝てば貴様の完全敗北が決定だ! たまき:がおん!そんなの聞いてないヨ〜〜! |
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えりか:では最後の勝負。 ケーキ対決です。 機環:見てろ! 吠えづらかかせてやる! たまき:人間のやり口ってずるいわ。 たまき、なんだか傷ついちゃった。 でもがんばるもん! ・ ・ ・
たまき:できました。 機環:わたしのもできたぞ! 総理、この国の命運がかかってるんだ。 わかってるんだろうな。しっかり審査しろよ! えりか:まかしといて。 まずは右のケーキから。 といっても総理は声優真田アサミじゃないんだから、 とても1ホールなんて食べられません。 官房長官、ちょっと切って。 えりか:では戴きます。 ふむ。 ・・・甘いクリームとスポンジケーキが、 まるで清らかな雪解け水にたゆたう一片のサクラ貝のように 口の中でほどけてゆく・・・ 機環:例えはきれいだけど、ありえねえ内容だな。 えりか:そして次は左のアップルパイ。 これも切ってもらおうかな。 ふむ。 断面から熱々のアップルが覗きますな。 ではいただきま・・・うまっ! くうっ、こいつやりやがるぜぇ! うおおおお!決定!アップルパイの勝ちィ! たまき:えへっ! また勝っちゃった!完全勝利! がお〜〜〜〜〜〜♪ 機環:なんだとぉ! そんなはずはない! なにかの間違いだ! たまき:た、し、か、10点もらえるんだったよね〜。 つまり14対0かな?圧勝かな? ほぉら、メカタマちゃん。 潔く負けを認めなしゃい? 機環:わたしの作ったデザートのどこが劣るというのだ! 総理!そこをどけ! わたしにも食べさせろ! こんなアップルパイのどこがうまいと・・・・・ぱくぱく! んっ!?これは・・・・・ たまき:うふふ、どうかな? 機環:・・・おい、ど、ど、どういうつもりだ。 うぶっ、・・・こ、これ マヨネーズで味付けしてあるのか? たまき:そうでぇ〜〜す。 アイスも氷イチゴもタイヤキもモンブランもこのアップルパイも、 ぜ〜〜〜〜んぶマヨネーズ味でぇす。 えりか:いや〜、 どれもおいしかったですよ、タマキさん。 機環:こんなののどこがうまいってゆうんだ!? めちゃめちゃマズいじゃないか! たまき:総理さんはマヨネーズ大好きっ子さんなんだよね。 えりか:そういう設定でしたな。 えりかが登場したころに使った。 機環:そんな、何年も前にちょっと出てきた設定を いまさら引っ張り出してるんじゃねぇよ! もうこんな勝負なんてなしだ! たまき! 貴様の進攻はわたしが実力で阻止する!! この国はわたしが守る! たまき:さっき、滅ぼすとか言ってたくせに。 機環:うるさい! かかってこい! たまき:え〜と。 機環:どうした、臆したか!? たまき:・・・やっぱいいや。 お料理勝負で充分た楽しんだし、おかげで疲れちゃったし、 なんかめんどいし〜。 わたし海に帰るね。 メカタマちゃん、バイバイ。 機環:帰る? ちょ、ちょっと待て! そんなあっさりと・・・・ たまき:メカタマちゃん、最後にひとつ約束して。 機環:な、なんだ? たまき:次に会うときは「お姉ちゃん」て呼んでね♪ 機環:呼ばねぇよ! たまき:じゃ〜ね〜。 がお〜〜! 機環:二度と来るんじゃねぇ〜〜! (ちゃ〜んちゃ〜ん、ちゃ〜〜〜〜〜ん) − 完 − |
2003年3月3日、0:00:06