HD(ハイパーディティール)ウルトラマン マックス

今回は、バンダイから発売中の「HDウルトラマンマックス」です。
食玩ですがブラインドではなく、箱の絵で中身がわかる仕様になっており、
コンビニ・デパートの食玩売り場などで売っています。

お子様が手に持って遊びやすいポーズと造形のソフビ人形のウルトラマンと違い、
HDシリーズはリアルなプロポーションでスーツのシワまで造形した、大人向けというかマニア向けな、
質の良いウルトラマンフィギュアとして定評があります。

ラインナップは ウルトラマンマックス・ウルトラマンゼノン・レッドキング・ゼットン・エレキング
いつもは番組内のウルトラマンがタイプ別に造形されて、全種全部がウルトラマンになるのですが、
他の平成のウルトラマンと違い、マックスもゼノンもタイプチェンジしない
由緒正しいM78星雲のウルトラマンなので数が揃わず、かわりに怪獣が3種類も入るという
異色の組み合わせになっております。
(ちなみにネオスもM78星雲のウルトラマンなのでタイプチェンジしません)




(左) HDレッドキング(マックス版)        
マックスで復活した人気怪獣。どくろ怪獣から装甲怪獣にジョブチェンジしたレッドキングです。
歴代のリメイクレッドキングの中では、かなりオリジナルに近いです。

(中央)ガシャの「HGウルトラマン 新たなる力編」のマックス。マックスギャラクシー装備です。
下のゼットンのデジラマで使ってます。

(右) HDウルトラマンマックス
マクシウムカノンのポーズをとったマックスです。心なしか本物よりも知的な面構え。
HDシリーズ全てにいえることですが、部分的に塗装はしてあるもののほぼ成型素材が剥き出しなので、
妙にテカテカしているのが残念なところ。とくにレッド族の皆さんは被害が大きいです。




謎の浮遊島“レッドノアサブジェクトファントム”に封じ込められていたレッドキング。
こいつはこの島特有の起爆性のある岩を口から打ち出して攻撃してくるのですが、
ここでは絵的にわかりやすく投石(投岩?)攻撃にしました。足元のピグモンがピンチです。
そういえば初代ピグモンはレッドキングのこの投石でやられたんでした。


こちらはガシャの「HGウルトラマン 新たなる力編」のピグモン(マックス版)。
造形不能な体の細かいトゲトゲも、その雰囲気は結構うまく表現されています。

全然可愛くないところが可愛いピグモン。
そのもとになったのはウルトラQのガラモンですが、
マックス版ピグモンは、ガラモンとおなじロボット怪獣という設定なのが面白いです。

というか、ロボット怪獣と知っててこういうデザインをあげてきた成田亨って、
なんかもうイキナリすごすぎですよね。






(左)「HGウルトラマン 新たなる力編」の
ウルトラマンゼノン。
……ゼノンか?
むか〜し幼年誌で連載していた漫画にでてきた、
「なにか違うウルトラマン」のような顔立ちです。

(右)HDウルトラマンゼノン
13話に3〜4分でてきたっきりの謎のウルトラマン。
顔は本物よりもシャープに、
かっこよく造形されている気がします。
本当は丸顔なんですよね。
胴体が意外と太めなところは忠実に再現。

ゼノンは、幼年誌連載漫画ながら“神”の領域に達した
内山まもるの「ザ・ウルトラマン」にでてきた
ウルトラマンメロスを彷彿とさせるデザインです。





ビルの谷間でゼノニウムカノンを放つウルトラマンゼノン。

ビルの間にただウルトラマンを挟んでもなんだか平面的に見えてつまらないので、
手前にあるビルをマスクして、その向こう側に「霧」のような「スモーク」のようなものを書き込み、
画面に奥行き感を出しました。



これは(有)インスパイア製ソフビ人形の
ウルトラマンメロス。
バンダイのソフビ人形と同じフォーマットで作られた
夢のアイテムです。ちと高いですが。
ゼノン、似てるでしょ?
頭のシルエットとか、モミアゲのとことか。
あとまあ、生身だと弱いとことかも似てるんですけど。(笑)

ちなみにこの「ザ・ウルトラマン」はコロコロ文庫で今でも読めます。
amazonザ・ウルトラマン (1)    小学館コロコロ文庫 内山まもる (著)
「ジャッカル大魔王」「ウルトラ28人集」「この宇宙警備隊隊長ゾフィーをたおせるものならたおしてみろ!」なんてワードで、心のどこかにズピキュンとくるものがあった30〜40代のあなた、さくっと買っときましょう!

多分まだ初版なので、カバーをはずすと「内山のぼる」などと
作者名が間違って書かれているのが確認できます。(笑)






HDゼットン(マックス版)
レッドキングやエレキングと違って、オリジナルのゼットンとの
違いがわかりにくいマックス版ゼットンです。
HDの箱に、わざわざ「新造形で登場!!」と書いて強調してありますが、
それがなければ「ウルトラマン」のゼットンの流用かと思いそう。
新旧並べてみるとプロポーションからしてまったく違うのがわかるのですが、
わかりやすい違いはドコかといわれると、私も良くわかりません。







渦巻く炎が唸りを立てて燃える燃える。
エフェクトかけすぎたカモ〜。燃え燃えすぎてわけわからん。
ゼットンの火球はオレンジ色なので、せいぜい5〜6千度なのではないでしょうか。
当たってもマックスは平気だったし。

HDエレキング(マックス版)

マックスのエレキングの体表の模様は
黒い部分が1/3くらいあるはずですが、
その点こちらはやけにあっさり目の模様のエレキングです。
ソフビのほうのエレキングの模様もこんななんですよね。
HD特有の剥き出しの成型素材の質感のせいで、
ヌメっとした感じに見えるとこは、逆にいい感じですね。

美人OLに飼われてたり巨乳宇宙人姉妹に飼われてたりする、
事件の影に女ありな怪獣エレキングさん。
幼体はチェストバスターみたいでグロ可愛いです。




「HG 最強!最速!ウルトラマンマックス登場編」の
ダッシュバード1号(右)
ダッシュバード2号(左)
指に乗るくらいの小さなものですが、
この通り塗装も細かく、
一応変形までする優れものです。






エレキングのおかげでエリアJT544は火の海なのです。
怪獣数匹が街をいくら壊してもそれで地球は侵略できないと思うのだけど、
ピット星人の場合は、侵略行為自体を楽しむのが目的というか、どこかゲーム感覚な所があって怖いですね。



上のデジラマではビルを何軒か壊しているわけですが、今回はそのあたりの手順を解説してみます。

まずこれが無加工のビルの画像。
エレキングの足元にある白いビルです。
加工後は4階より上が鉄骨剥き出しになってますが、実はもともと3階までしかないビルです。


ここに、建設中のビルの鉄骨の画像素材を貼ります。
こういう素材は素材集などにはないので、常にデジカメを持ち歩き自分で撮影してストックしておかないといけません。

貼り付けるときに、ビルの窓の角度と鉄骨の角度を合わせておきます。




鉄骨のレイヤーをマスク。(赤い部分)
いくらか奥行きがあるように見えるように鉄骨を残して、いらない部分を消してゆきます。

3階より下の窓のマスクを残すことで、窓ガラスが割れたような感じにしました。



マスク表示を解除。
壁が崩れて中の鉄骨が見えているような感じに。
隣の茶色いビルも同じように加工しました。




覆い焼きのペンで屋内に炎を追加。
他いろいろエフェクトをかけて、周囲に馴染ませます。




鉄骨レイヤーの下に、エレキングのレイヤーを置き、合成。
自動的に、鉄骨の隙間にエレキングが見えるようになります。

解体中のビルの崩れた壁なんかを撮影できると、半壊したビルなどを合成で表現できそうですが、最近は安全性とアスベスト飛散防止のために現場をパネルで囲って解体するので、なかなか撮影できません。

世間の評判はそれほど高くないらしい「ウルトラマンマックス」ですが、正統派怪獣モノあり、侵略SFあり、ファンタジーあり、コメディーあり、不条理劇ありなんでもありなマックス、私は大好きです。
先週の第33話「ようこそ地球へ!(前編)」はバルタン星人登場ということで侵略ものかと思いきや、14歳の女の子に変身したタイニーバルたんが超科学で活躍する魔女っ娘ものでした。なんでもありすぎ。
あれ見て呆れているオールドファンも多いことでしょうが、ちょいとお待ちよ。
「充分に発達した科学は魔法と区別がつかない」というのはSF作家アーサー・C・クラークの言葉ですが、
「ばるるん♪」の呪文と両手ピースで発動するタイニーバルたんの魔法は、
まさにその言葉を如実に表現した、100%ハードSFな描写だったといえるでしょう!マジで!空想科学万歳!

ちなみにタイニー役の半田杏ちゃんのサイト
マックス撮影時の舞台裏なムービーもありますよう。
どうやら「ばるるん♪」は恥ずかしいみたいです。


楽しいマックス愉快なマックスですが、どうやらそろそろ終わってしまうらしいです。
映画もないまま終わりとは寂しいですなあ。
次作もマックス同様リバイバル怪獣目白押しらしいのですが、怪獣以外にもいろいろリバイバルするらしく、
楽しみなような不安なような〜。

……やっぱりマックス終わらないで〜〜!


2006年2月16日 0:31:28