CM'Sコーポレーション

銀河漂流バイファム \5040-
CM'Sのメカアクションシリーズのバイファムです。
「銀河漂流バイファム」は1983年10月から約1年間に渡って放映されたアニメです。
地球から遠くはなれた殖民惑星で異星人から攻撃をうけて両親と離ればなれになった少年少女たちが、生き延びるために、両親を助けるために、残された練習艦ジェイナス号とバイファムを始めとするラウンドバーニアンを駆使して異星人と戦うという内容でした。軍人でも特殊能力者でもない少年少女達が、知恵と勇気で異星の正規軍相手に立ち向かう物語に、毎週ハラハラしながら見ていた覚えがあります。
状況が状況だけに子供達の誰がいつ死んでもおかしくなく、特に猪突猛進なケンツ軍曹(9)はいつお亡くなりになるかと気が気ではありませんでした。
物語前半は子供達を守るために軍人や大人たちが次々に戦死していくハードな展開なのですが、だからといって暗い物語ではなく、常に前向きに目標に向かってゆく、優れたジュブナイル作品だったと思います。
「銀河漂流バイファム」では大人たちの描写も、当時のアニメによくあった「エゴ剥き出しの利己的な大人」ではなく、弱いものを守って戦う勇気と責任感をもった存在として描かれ、とても好感が持てました。(そうでない人もいましたが)
アニメ雑誌の投稿欄では当時、そういう大人のあり方を「リアルでない」と批評する向きもありましたが、そういう批評をした彼等彼女等は、今いったいどんな大人になったんでしょう。気になるところであります。

サンライズのバイファム公式サイト
YouTubeで懐かしいバイファムのOPが見れます。OPは名曲ですよね。
またバンダイチャンネルでは全話(有料・1話105円)視聴可能です。


トイとしてはハイコンプリートモデル以来の立体化ですか?
好きな作品でしたので、フィギュア発売の報を聞いて直ちにネットで予約し、購入したのですが、届いてみればこの通り、店舗で見かけていたら思わず買い逃さずにはいられない出来具合でした。

※「買い逃さずにはいられない」とは:
アルターのセイバー水着Ver.フィギュアの煽り文句。きっと「買わずにいられない」と言いたかったのでしょうけど、言葉の使い方を間違えて「買う」を三重否定してしまっている複雑日本語。これでは「買うな」という意味にしか取れませんが、いいのでしょうか…



原型はもっとシャープだったんでしょうけど、ちょっと刺激臭すらする柔らかいPVC素材のせいか、エッジは丸くディティールがつぶれて、出来のよろしくないガシャかプライズのフィギュアのように、もちもちとした仕上がりになっています。
それこそ、プライズものならまあ許せますが、市販の5000円のフィギュアでこの仕上がりはないよ〜、と思いました。



プロポーションは悪くないし、可動範囲もあるほうなので、ぱっと見の出来の悪さが非常にもったいないフィギュアです。肩関節も「可動戦士」のように前にずれるようになっており、銃の両手保持も無理なくできるようになっています。まあ、その「可動戦士」と同じ値段帯のフィギュアなので、これくらい動いてもらわないと困る、という見方もありますが。





お腹を開くと中のポッドが見えます。ポッドは取り外し可能というか、背中の穴から勝手に転げ落ちる仕様。この開閉ギミックのおかげで腰をひねることが出来ませんが、それはデザイン上仕方がないことでしょう。

ハッチのエッジも、なんかすごいことになってます。



背中のバックパックを交換する事で、付属の大気圏内飛行ユニット「スリングパニアー」を装備できます。

当時は、ラウンドバーニアンのリアリティを大きく侵害するユニットの登場に「なんじゃこりゃ?」と思ったものでしたが、いま見ると全体的なバランスからしてそう悪くない気もします。
「リアリティ」ゆうても、しょせん絵空事の上でのモノなので、見かたによって有る無しが変わってくるものなんですかね。
こんなの着けただけで飛べるのかよ、と当時は思ったものですが、可動部分を数倍に増やして機構を複雑怪奇にして整備を煩雑にし故障の可能性を跳ね上げる「飛行機型に変形ロボ」よりも、そのまま飛ばそうという「追加飛行ユニット」は案外リアリティのある選択だったかもしれません。
このバララント軍の装備みたいな色はどうかと、いまだに思いますが。




軌道上のバイファム7

左手に持っているのは、ジェイナス号の装甲を加工して作ったシールド。

宇宙では照り返しもなく遠近感もないので合成が楽といえば楽、と毎回書いてますが、何も手がかりがないだけに、背景と馴染ませる方法が乏しく、逆に難しいと思えることもあります。
この画像では、合成後に不自然に全体のコントラストを上げたりノイズを加えたりして、画質をわざと劣化させています。
バイファムと背景を同じように劣化させることで、両方の差をなくして馴染ませる作戦です。
あと、バイファムと地球の露出(写真用語としての)具合の調整も意外と重要ですね。次にやるときに忘れそうなんで、ここで肝に銘じておく私なのです。



ツインムーバー装備でビームガン発射

アニメの描写では発射時にあきらかに反動があるらしいビーム兵器。
反動を打ち消すために後部バーニアをふかしています。
20話「立てスコット! リーダーはきみだ」の、手に汗握る中継基地攻撃シーンのイメージ。
操縦もおぼつかなかった子供達が長距離侵攻して敵基地を落としてしまう、全体のターニングポイントだったお話より。
私的にはここがロボットアニメとしてのバイファムのピークでした。


スリングパニアー装備で空を飛ぶバイファム

3クール目以降、舞台はおもに大気圏内に。
体中に姿勢制御用バーニアを装備したラウンドバーニアンの存在は、宇宙戦闘においてその新しさをアピールできるものだったのですが、後半以降のククト星の大気圏内の戦闘では、ラウンドバーニアンも従来のロボットと変わないものとなってしまい、物語の展開上しかたがないとはいえ残念でした。
また、このころはロディたちは異星人のエース並のパイロット技量を取得して、初期の生きるか死ぬかのサバイバル感は霧散してしまい、全体的に緊張感がなくなった気がしました。紋切り型のライバルキャラもウザかったし。宇宙戦闘がなくなったのとあいまって、初期のハードな頃が懐かしかった時期です。

しかし当時ペンチ派だった私はなんとも思わなかったけど、今見るとカチュアってけっこう可愛いですな。


F
2006年7月9日 16:07:39