コナミ SFムービーセレクション 小さき勇者たち -GAMERA- 各380円
コナミのSFムービーセレクションに、今年の春頃に公開された“怪獣の出てくるファミリー映画”、
角川映画「小さき英雄たち−ガメラ−」の怪獣たちがラインナップされました。
毎度ながら、怪獣の「骨格」とそれを動かす「筋肉」の説得力のある造型と、生物感溢れるテクスチャーが見事です。

オリジナルギャオス

昭和版とも平成3部作版とも違う第3のギャオス。本編中の映像ではその姿も色もハッキリしない上に、
パンフレットにもモノクロの半身の写真があるだけで、かなり謎の怪獣だったんですが、
こういう感じの奴だったんですね。



まぁ、顔のほうはかなりアレンジされた造型のようですが、
下品でガラ悪そうな感じがたまらない、
よい悪役怪獣になっております。





月光に浮ぶ凶獣

今回のギャオスのフィギュアで面白いのはこの皮膜。
薄く造型されており、うしろから光をあてると透けて、描かれた血管が浮き上がって非常にカッコいいです。
合成では、その辺を意識して月光で逆光ぎみの画像を作ってみました。


アヴァンガメラ

映画の冒頭3分で熱い戦いを見せてくれるアヴァンガメラ。

マッシブなプロポーションやそれを覆う岩のような体表は、平成3部作のガメラとは違った、
新しいガメラ像としてとても魅力的です。


ギャオスの攻撃によってスカーフェイスになってます。
映像で見るよりも、少々優しげな表情の造型で立体化されています。
もっと凶悪そうな面構えでもよかったかも。




ギャオス殲滅

ああなんか真っ暗。
液晶ディスプレイで見ている方はそれなりに見えるかもしれませんが、CRTだとあんまり見えないかも〜。
でも、CRTにあわせると液晶で見たときにちょっと明るすぎますし、難しいところです。
フィギュアが4体写りこんでいる上に、背景も作りこんだ、手のかかった合成画像です。


背景のメインの岩場は、曇り空の三浦海岸。
これを暗く補正し、別に用意した夕暮れの空の素材を合成してあります。
フィギュアを合成後、炎やその照り返しなぞ付け足して表現したり、対岸の街の火など描き込んだりしました。






最後の闘い

アヴァンさんでもう一枚。
夜の公園の、街灯で下から照らされた樹を赤系に補正して、その前面に炎を合成。
こういった炎の素材はなかなか自分で揃えられないので、結構お高い素材集を購入しました。
炎の中にはいちおうギャオスが一匹火葬されてるんですけど、全然わかんなくなっちゃいましたね。

トト(ガメラ幼体)

映画の撮影では、トトが手のひらサイズの頃は、ケヅケリクガメという本物の亀が使用されていましたが、
これはそれがさらに成長し、人間大になった頃のトトのフィギュアのようです。
成長したケヅメリクガメではなく、あくまで“幼体のまま大きくなったカメ”、といった感じでしょうか。
これではなく、リアルなケヅメリクガメをフィギュア化しても面白かったかもしれません。(あれ可愛いし)



黒目がち(というか黒目しかない)な瞳は、ケヅメリクガメそのもの。
撮影に使われたプロップよりも生物感が増し、
かなり本物っぽいです。
プロップは皮膚感がハリボテぽくて、なんか微妙にグロいんですよねぇ。

まあ人によっては、本物の爬虫類に近い仕上がりのほうが
気持ち悪いってこともあるかもしれませんけど。
よく見ると、このフィギュアの顔もけっこうヘビっぽいですし。



エネルギー源を求めて海へ

映画には、主人公の透君が拾ってきたトトに餌をやる、というかやろうとするシーンすら皆無で、
「生き物を飼うというのはそういうことじゃないだろ」などどそのへんが非難の的だったりするようです。
田崎監督へのインタビュー(※)に寄れば、初稿の段階ではそういうシーンもあったようですね。
“餌を与えるが食べない”みたいな。尺の都合でカットされ撮影もされなかったようですが…

しかしちょっと待ってください。透君はちゃんと飼育して餌をやっていたじゃないですか。

もし、波切にジーダスが出現したときに、すでにガメラが成長していれば、上陸したジーダスを撃退、
もしくは上陸前に撃退すら可能だったはずですよね。
だって名古屋出現時の成長したジーダスですら火球一発で爆散する弱さですし、
あいつ意外とトロくて全然攻撃をよけないんですから、
波切にきた成長途上のジーダスなら、赤い石のパワーで成長済みのガメラにとってまったく敵ではなかったはず。
ところがそうはなりませんでした。
それは透君がトトを琲島から赤い石と共に持ち帰ったりしたせいです。
透君がいらん事をしたおかげで何人もの人が死に、波切も名古屋も壊滅的な被害を受けたのです。
逆にいえば、透君のおかげでジーダスは順調に成長し、たくさんの人を食い殺すことが出来たのです。
つまり、彼のしていたことは「トトの飼育」ではなく、実は「トトの成育の阻害」とそれにともなう「ジーダスの飼育」なわけで、
透くんはトトを育てないことで、間接的にジーダスを飼育してちゃ〜〜んと餌(人間)を与えてたんだ、
という事実が浮き彫りになるのです。

この見かたはちょっと無理があるか…

開田無法地帯「特撮が来た12」

ジーダス

あんまり画面に全身が写らないのと、背中のトゲトゲのおかげで、着ぐるみ感が薄いなかなかいい怪獣です。
パンフレットの解剖図の説明には、脳は「バイオレンスブレイン」、目は「ジーダス邪眼」、心臓には剛毛が生えてたりと、
好きなことかかれてます。
フィギュアのほうはそんな悪役怪獣を悪役然と立体化。びっしりはえたトゲトゲも気持ち悪くていい感じです。


ギャオスの肉を食べたトカゲが変異してこんな姿になったとのこと。理屈はわかりませんがギャオス細胞恐るべしですね。
こいつの舌は「ハープーン舌」といって、槍のように長く延びて相手を突き刺します。そのしくみは、パンフの解剖図によれば「内部の網目状の組織に血液を充満させることによって長く堅く撃ち出すことができる」という、男子ならば馴染み深い原理によるようです。




波切上陸

背景は外房の港町。
建物を壊したり、静かなはずの港湾内に別の場所の大波を合成してみたりして、
ジーダスの存在感を強調してみたりしました。波に対する船のマスクが大変でしたわよ。
波切に来たときのジーダスは成長途中で、まだフィギュアのように襟は立てられなかったらしいんですが、
そこは気にしない方向で。



クレイジークライマー

名古屋JRセントラルタワーズに登るジーダス。
背景は、以前白川郷にいった時の乗換えで、名古屋駅周辺をウロウロして撮影したものです。
ぱっと見で150mくらいかと思っていたんですが、調べてみたら245mもあるんですね、ここ。
都庁並ですか。大きく見えないのは円形だからかな。ともかく、久しぶりに名古屋にいったら、その変わりように驚きました。
近々この近くにもう1本、250m級の超高層ビルが立つそうで、また大きく景観が変わりますね。

合成は、なんというか変な絵ですが、こういうシーンがあるんだからしかたがないのです。
ビルの壊れたところとか、いろいろ手を加えてあるんですけど、例によって、縮小したらよくわからなくなりました。


ガメラ

本編のガメラとかなり印象が違って、カッコいいです。
のっぺりとしていたはずの手足にゴツゴツしたテクスチャーが付き、いい怪獣ぶりになりました。



顔つきも凛々しい仕上がり。
本編の着ぐるみは、大きいばかりの目は虚ろで
表情らしきものはあるものの読み取れず、
かえって無表情にすら見えていたのですが、
フィギュアのほうには何がしかの決意すら読み取れます。
やはりこれ位の「目ヂカラ」はあったほうがよかったでしょうね。





トトインパクト発射

こちらも名古屋駅前。いろいろ壊させていただきました。
消火栓の標識は、駅周辺の別の場所にあったものを合成しました。
足元に広がる瓦礫は、以前汐留めで撮影した素材。
こういう瓦礫の素材は撮ろうと思って探しても案外ないものなので、手持ちがないです。
こんなの収録した素材集もないですし…。これとて同じ素材を3回ペーストして広げたものです。
あとで加工しやすい曇りの日の日なたにある状態の瓦礫の山でしかも関係者以外でも立ち入りできる場所、
どこかにないですかねぇ。


2006年11月12日 23:36:21