300円のカプセルフィギュア「アルティメットソリッド・ウルトラマン」と同スケールの怪獣フィギュアを、 箱入りトレーディングフィギュアにしたアルティメットモンスターズ。 お値段は高くなりましたが、そのぶん大ボリュームになっております。 「究極大怪獣」と銘打ちながら、そのラインナップには宇宙人3種(4体)と機械と超獣が含まれてて、 怪獣はゴモラ1体しかいませんけど。(笑) もっともそれは「怪獣」の意味の解釈にもよるわけで、昔は人類を超越した高度な科学を持った宇宙人も、 そいつらが作った兵器(ロボット)も、地面から出てきた巨大な猛獣も、等しく「怪獣(モンスター)」扱いされてたわけで、 この「アルティメットモンスターズ」もそういう解釈なのでしょう。おおらかなものです。 そういえば昔「豹(ジャガー)の目」なんていうテレビ番組がありましたが、いや、豹とジャガーは違う動物だろ…。 明治の初期あたりだと、豹やジャガーもひっくるめて、黄色地に黒い模様のある猫化の大型動物は全部「虎」呼ばわりだったそうで、さらにおおらかなものです。 ウルトラマン 1体300円だったものが2体入って700円になってる、アルティメットモンスターズ版「ウルトラマン&ウルトラセブン」。 左がカプセル版、 右がアルティメットモンスターズ版。 アルティメットソリッド版は部分的に墨入れしてあります。 50円分プラスの価値があるかはわかりませんが、違いらしいところはそれだけなのできっとそうなのでしょう。 体色の赤も違ってますが、これは「変えた」のか「変わっちゃった」のか… イメージ的にはカプセル版の朱色っぽい方が本物に近い気がしますが、印刷物も映像も、色の再現性なんて 全然当てにならないですから、実際のところわかりません。 ウルトラセブン 左がカプセルVer. 右がアルティメットモンスターズ版。 画像では見えませんが、背中の背びれに墨入れしてあります。 そして、体色が若干変わり、手袋とブーツの色がより渋くなりました。 目の部分の彩色が変わり、本物のように中央部分が無色になりましたが、実際のところ、 本物は目に内蔵されたランプが光ると無色部分もオレンジ色に光って、結局見た目は全部オレンジ色になるので、 どちらがより本物のイーメジに近いかというと、難しいところです。 |
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古代怪獣 ゴモラ 皮膚の質感から、シワシワ感、変な形になってる指まで、再現性の高いフィギュアになっています。 700円でこれはすごい。 というか、ゴモラやバキシムで超過したコスト分を、ナックルとかマン&セブンとか、 小ボリュームのハズレっぽいフィギュアで吸収してるんではなかろうかと。 ゴモラはジョンスン島に生息していた古代怪獣ですが、大阪万博に展示するために捕獲され、科学特捜隊によって大阪まで空輸されます。その空輸の途中でUNG麻酔が切れてしまったので、危険を避けるために投下。落下した六甲山から大阪市街まで暴れ回るものの、科学特捜隊と自衛隊に攻撃され、ウルトラマンに倒されます。 子供のころはともかく、今見るとゴモラがかわいそうすぎてカタルシスが感じられない話です。ひどいよ人類。 だいたいUNG麻酔弾、全然あてになんねー! 実はパシフィック製薬製だったのでは? 「ゴモラなんて一発でお寝んねだからね?…からよ?…からさ」 ちなみに、本来は「ウルトラマン」はかなり未来(放送当時からみて)の時代の物語ですが、このゴモラの出てきた第26・27話「怪獣殿下(前後編)」は、大阪万博の開かれる現代(放送当時の数年後?)の物語になっています。(注1)そのため、出動するのはいつもの防衛軍ではなく自衛隊だったり、子供達が「怪獣なんていないよ」なんて言ってたりと、他のエピソードと違う世界観になってたりします。これは「怪獣殿下」がお正月に放映された「ぼくらの世界にウルトラマンがやってきた」的なスペシャル版エピソードだからだそうです。すっごくわかりにくいのですが。 アルティメットソリッドのウルトラマンとの対比。 同スケールな上に、両方とも非常にリアルなフィギュアなので、こうして並べるとなかなか迫力があります。 パーツ交換で、シッポが切断された状態を再現。 かわいそう、ゴモラかわいそう… ゴモラ大阪城に現る 自衛隊が61式戦車やミサイル車輌を布陣して待ち構える大阪城を、ゴモラが攻略するところを再現してみました。 近所に大阪城がないので、ロケ地は皇居の桜田門。ワールドタンクミュージアム4の陸自61式戦車を合成しました。 せっかくだから、ウルトラマンとからめればよかったかも… 合成の解説
注1:「怪獣殿下」の放映は1967年1月8・15日。大阪万博開催は1970年3月15日より |
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宇宙忍者 バルタン星人(二代目) 初代に比べるとちょっとマイナーな二代目バルタン。肩と二の腕で軸可動するので、ハサミの角度を変えたり出来ます。 また、ボールジョイントでハサミの開閉も可能。もっとも、設計ミスか不良品なのか、右手のハサミのボールジョイントがまともにはまらなかったので、ジョイントの受け側をリューターで削って拡張し、さらにボール側も一旦切り離し、まを詰めて再接着してやっと可動するようになりました。 パーツ差し替えで「スペルゲン反射光」を開いた状態も再現。 スペルゲン反射“鏡”の表記もありますが、どちらが正しいのかは不明だとなにかで読んだ記憶があります。原理的にはどうみても「鏡」なんですけど、セリフでは「反射光」と聞こえるのです。 フィギュアの箱には「反射光」と書かれています。 バルタン星人(二代目)は第16話「科特隊宇宙へ」に登場するのですが、小型のがモキュモキュと大量に出てくる上に、巨大な個体もR惑星と地球に計2人出てきます。いったいどれをとって二代目と呼んでいるのでしょう。みんな仲良く二代目襲名、ということなのでしょうか。 デザインした成田亨は、以前にデザインしたセミ人間に、飯島監督の要請でツノとハサミを付け足した、ただの焼き直しであるバルタン星人のことはあまり気に入っていなかったようですが(注2)、それほど高尚でない私にはキャッチーでカコいいデザインだと思われます。 空港でウルトラマンに向かってダッシュするところをスローモーションでとらえたカットは、何度見てもステキです。 「科特隊宇宙へ」は、子供には意味不明の難しげな専門用語が出てくるのですが、これがなかなか「大人の香り」を感じさせる演出でして、私は当時「ウルトラマンブック」(注3)を読んで、その用語を一生懸命覚えました。パンスペースインタープリターとか、ハイドロジェネートサブロケットとか、スペルゲン反射光とか、マルス133とか。ちなみに、スペル“ンゲ”と間違って覚えてたり、せっかく正確に覚えてても劇中ではハイドロジェネートロケットエンジンと別の名で呼ばれていたりで、ただでさえ役に立たない知識がさらに役に立ちませんでした。 パンスペースインタープリター バルタン星人の言葉を自動的に同時通訳する機械。異常天才イデ隊員の超発明品のひとつ。 バルタン星人の物真似と称して、よく胸をたたきながら「ワレワレハバルタンセイジンダ」としゃべるネタがありますが、バルタン星人は実際はエコー付きで普通にしゃべってるだけです。いったい誰が始めたんでしょうアレ。 R惑星 ビートル機はバンダイ・HDMウルトラスーパーメカのもの。これにはハイドロジェネートロケットエンジンは付いていないので、機体後部をフレームアウトさせてごまかし気味に。水爆の原理を応用したという新エンジンをつけて墜落したというのに、何も確認せずに機外に出るアラシ隊員おおらか過ぎ。思えば、第2話「侵略者を撃て」でも核ミサイルを市街で使ったりと、わりと核の危険性に無頓着な描写がありますが、きっとそういう時代だったんですね。 合成の解説
注2:成田亨「特撮と怪獣-わが造形美術-」(フィルムアート社刊)より 注3:「ウルトラマンブック」二見書房刊 フルカラーの手のひらサイズの子供向け冊子で、1エピソードを1冊にまとめたものが3冊セットになっていました。「マン」から「レオ」まで刊行されていて、「マン」では「レッドキング大暴れ」(怪獣無法地帯)「バルタン星人の逆襲」(科特隊宇宙へ)「メフィラス星人登場」(禁じられた言葉)が収録されていました。 |
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宇宙ロボット キングジョー そういえばキングジョーは何度か出てきているのに「何代目」とか言いませんね。これはTV版セブンのキングジョー。 セブン1999版のメカニカルなキングジョーもいいですが、やはり初代の妙に迫力のあるいでたちはイイです。 そんなキングジョーのフィギュアですが、出来自体はわりと可もなく不可もなく。 パーツ分割など意外と細かく、手が込んでいるのですが、ディティールがあっさりしていてちょっと物足りない感じです。 着ぐるみっぽいシワなど入れこんで欲しかったかも。私、しわフェチなんで。 「グワッシュ、グワッシュ」 防衛センターを襲来するキングジョー。本編の映像では、その姿が池の水面に映るシーンがとても印象的ですが、実際の水面があんなふうに鏡のように平坦になっていることなんてなかなかないのです。そこで、リアリティを追求してこのようにちゃんと水面に映っていない画像にしたのですが、しかし映らないのであれば、わざわざ画面に水面を入れた意味は、もはやなくなってしまったような… 自滅? 合成の解説
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一角超獣 バキシム 可愛くてカッコいい、マイベスト超獣のバキシム。デザインはシンプルなものの、色使いは毒々しいほどに派手。その組み合わせが奇跡のようにまとまり、ステキな「超獣」バキシムが生まれました。(褒めすぎ?) このフィギュアはかなりボリュームがあるのですが、ゴモラと違って体の部分は中空になっており、意外と軽くなっています。 メビウス版のバキシムはソフビ人形になりましたが、その出来がイマイチだっただけに、アルティメットモンスターズのバキシムの出来のよさは嬉しいところです。 ウルトラマンエース第3話「燃えろ! 超獣地獄」に登場したバキシムですが、その物語のほうは、せっかくのステキなバキシムにはそぐわない、突っ込みどころ満載のお話なのが悲しいところ。このサブタイトルもいかがなものかと… 空を割って登場する神がかり的なビジュアルも、ものすごくカッコいいのに、もったいなさ過ぎです。 バキシムのフィギュアのでき自体は申し分ないのですが、 同スケールのはずのエースのフィギュアと比べると、 やや小ぶりな感じです。 映像で着ぐるみの大きさを比較しても、設定身長でも(注4)、バキシムのほうがエースよりも、頭ひとつぶん大きいはずなのに、これは残念。 700円の予算を持ってしても、同スケールの怪獣フィギュアは難しいのですかねえ。 襲撃、TAC基地 秘密のはずのTAC基地が、第3話にしてすでにヤプールに知られているこの衝撃。 バルタン星人(二代目)と同じく、陽動作戦を用いてTACの戦力を分散しての基地攻撃ですが、バルタン星人に比べてヤプールのやり方は回りくどくて無駄が多すぎです。 超獣を2体使う作戦というのはお約束でナシとしても、市街地でバキシムが暴れる→TACが来たら異次元を使ってTAC基地へ瞬間移動→TAC基地を攻撃、でいいじゃん。子供に化ける必要ないじゃん。 そもそも、TACはヤプールにとっては別に脅威でもなんでもないだろうに、なぜ攻撃するんでしょ?
注4:バキシムの身長65m ウルトラマンエースの身長45m という設定です 注5:エースの放送時期には74式戦車はまだ自衛隊には配備されていないのですが、新兵器としてTAC基地にはすでに配備されてた、という嘘設定で合成画像を作りました。 |
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私はナックル星人が 大 キ ラ イ です。 「まなびストレート」面白いですよね。いかなる困難もまっすぐ前向きに挑んでいく、元気の出るアニメです。髪の毛にかかったグラデーションの影やチェック模様のスカートで動きまくる作画も驚異的ですが、やはり内容がいいです。見ていて応援したくなるアニメは久しぶりです。彼女達の前に新たに提示されることになるトラブルは相当に手ごわそうですが、きっと打ち砕いてくれるに違いないのです。がんばれ聖櫻生徒会! ところで、エンディングの最後のカットで、芽衣とももの体が入れ替わって、芽衣がニーソをはいているという間違いはもう有名な話ですか?つーか、みんなニーソでいいのにね!ニーソ万歳! と、ナックル(以下「ナ」)がキライだからって関係のないお話をしてもしょうがないので、ナ行きますか。 ここでは趣向を変えて、ナが登場した回の予告編を合成画像で再現してみました。 第37話「ウルトラマン夕陽に死す」において、ウルトラマンの敗北と共にショッキングだったのが、 いままでずっと郷を兄のように支えてきた坂田健と、郷のほぼ恋人で健の妹の坂田アキが、ナによって暗殺されるシーンです。しかも、なんとか光線などの宇宙人的な攻撃で殺されるのではなく、人間に扮したナ達によってアキが自動車で誘拐され、そのアキを助けようとした健はその車に轢き殺され、アキもまた道路に放り出されて殺されます。 道端に無残に転がるふたつの骸をロングでとらえたカットは、客観的に突き放している分、あまりに残酷でした。 私は岸田森の演じる坂田健が大好きだっただけに、その唐突な展開が信じられず、テレビの前で呆然としていました。 一方、ウルトラマンはナとブラックキングに敗れ、ナ星で処刑されるべく、鎖につながれてしまうのでした。 そんな37話に続く第38話の予告は、さらに衝撃的でした。
37話の陰鬱な展開から一転して、ウルトラマンとMATの胸のすくような活躍と、吸血鬼として蘇った坂田の復讐(妹のアキは人間であったために死んでしまっている)がカタルシスいっぱいに描かれています。ナからいくら攻撃を受けようとも、黄金色の目を光らせて、ひとりまたひとりと、確実にナを抹殺してゆく不死身の坂田。(注10) その鬼気迫る演技は、日本の誇る吸血鬼俳優・岸田森の面目躍如といったところでしょうか。 坂田は次郎少年を郷に託して、この回を持って「帰ってきたウルトラマン」の舞台から姿を消しますが、岸田森のその勇姿は永遠に不滅なのです。(注11) 注6:嘘です。 注7:嘘です。 注8:嘘です。 注9:嘘です。 注10:全部嘘です。 注11:当然本当です。というか岸田森は今もきっとどこかで生きてます。 |
2007年2月20日 0:40:33 |