アルティメットソリッド・ウルトラマンの怪獣版の第2弾、 アルティメットモンスターズ第弐集です。 有名どころをバランスよく集めた第壱集と違い、今回の第弐集はラインナップが微妙でして、 エースキラー (ウルトラマンA) エースロボット(ウルトラマンA) ブラックサタン(ウルトラマンA) ゼットン (ウルトラマン) ブラックキング (帰ってきたウルトラマン) そしてエース&新マンセットの全6種。 だいぶ「ウルトラマンA」関係の比重が大きくなっており、ちょいとマイナーな香りを醸してます。 |
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異次元超人エースキラー ウルトラマンA 第14話「銀河に散った5つの星」に登場する、 ヤプールが作り上げた異次元超人。 ゾフィー、マン、セブン、新マンの力を奪い取り、エースを苦しめます。 4兄弟の技を自在に操り、スペシウム光線やエメリューム光線は元より、ゾフィーのM87光線をも使いました。 ちなみに、M87光線をゾフィー自身が映像作品上で初めて使用したのは、このエースキラーより33年後の「ウルトラマンメビウス」においてで、それまではM87光線はながらく幻の必殺技とされてきました。 ゾフィーのM87光線は、エースキラーの雷球みたいなM87光線とは全然違っていました。 フィギュアのほうは、エースキラーのスーツの体表のデコボコ感を少し強調気味で立体化しているようです。 あんまりフラットに仕上げると、メビウスキラーみたいになりますしね。 エースロボット ヤプールが、磔になったウルトラ4兄弟に対して「エースキラーはエースよりも強いんだよ」ということを実証するためだけに、わざわざ作ったデモンストレーション用ロボット。 エースと同じ実力を持つとされています。すげー。 出てきてすぐにやられたのに、「殺人ロボット」の二つ名が与えられているのはなんか可哀想。 エースロボットを出したのは、幼年の視聴者に「エースキラーの強さ」をわかりやすく伝えるためだったんでしょうけど、当の視聴者は「ならエースロボットをいっぱい作ってエースと戦わせればいいじゃん」と普通にツッコんだものでした。 でもまあ、悪くない方法だったんですよね。 だってその後は、ウルトラ兄弟が戦って負けることで「強敵」の強さを表現するようになってしまい、当て馬になりやすいゾフィー兄さんは連敗につぐ連敗を記録し、いつしか「ゾフィー兄さん最弱伝説」がまことしやかに語られるようになってしまいましたし。 フィギュアのほうですが、エースの原型を再利用するのではなく、このための新規造型で、よく見ると共用できそうな顔のパーツも細部が違います。そのへんの凝り方は評価できるのですが、なんか体表がゴテゴテして仕上げが荒い感じで、エースのスーツと質感がかなり違う印象です。 戦え!エースロボット CGなら簡単かと思っていた「光線」の描写が意外と難しい件。 難しいというか、すこぶるうまくいってません。 光線の発光感の出しかたに独特のコツでもあるのでしょう、私は全然修行が足りてませんでした。 背景はゴルゴダ星に見立てた、犬吠埼の海岸の岩。 バックに磔のウルトラ4兄弟が欲しいところですが、そういうフィギュアは持ってないので、誰かこれ買ってください。<おい さて、今になって改めて第13話「死刑! ウルトラ5兄弟」と第14話「銀河に散った5つの星」を見ての感想なのですが、 長文なのですっ飛ばし推奨。 このゴルゴダ星の罠に落ちた4兄弟とエースの戦いを描く13・14話ですが、こういうお話であります。 ウルトラ5兄弟、すなわちゾフィー・マン・セブン・新マン・エースは、偽のウルトラサインをつかったヤプールの策略でゴルゴダ星におびき寄せられます。エースと4兄弟はこれは罠だと気がつきますが、すでに低温のためにエネルギーを奪われてしまったため脱出できず、4兄弟はエネルギーを集めてエースひとりだけ脱出させます。 (偽のサインに全員騙されてノコノコと罠にはまり、あまつさえ寒いというだけで4兄弟が一網打尽ですよ) 地球では超獣バラバが暴れており、帰ってきたエースはこれと戦いますが、ゴルゴダ星に残った4兄弟を人質にされ、バラバに敗退します。 TAC本部は超高速ミサイルによるゴルゴダ星破壊を決定!(なんでだよ!) 北斗が「ゴルゴダ星にはウルトラ4兄弟が捕まっているからやめてください」と反対するのに対して、TAC司令官は「いまは何よりも地球の危機を救うことが先決だ!」とにべもなく却下。 (ゴルゴダ星を破壊する事がなんで地球の危機を救うことになるのか、なんの説明もなく、いつの間にか「そういうこと」になっていてTACの隊員は誰も疑問に思いません) しかも司令官はミサイルに搭乗して誘導するのに、反抗した北斗を半ば嫌がらせに名指ししてきました。 北斗は、「俺が代わってやる」という山中隊員の好意を断り、ミサイルに乗り込みゴルゴダ星に向かいます。 じつは北斗はミサイルもろともゴルゴダ星に突っ込み、ウルトラ4兄弟とともに死ぬことを決意していたのです。 (悲壮な覚悟にうっかり胸を打たれそうになりますが、そんなことしても状況は悪化するだけでなんの解決にもなりません) そのとき、地球のTAC基地にいる南がモニター越しにかざしたウルトラリングで北斗はエースに変身し、ゴルゴダ星に向かいます。 ゴルゴダ星では、対エース用の異次元超人エースキラーが待ち構えていました。 (最初の段階でエースのみゴルゴダ星から脱出できたのは、ヤプールにとって想定外のはずなのですが、エースロボットやエースキラーが出てくるころになると、まるで最初からエースを孤立させて倒す計画だったかのような流れになってる不思議) 磔にされた4兄弟から力を借りたエースは、必殺技スペースQでわりとあっさりエースキラーを倒し、さらに地球にとって返して超獣バラバも倒すのでした。 改めてこの話を見て思ったのは、ドラマを構築するための物語の縦の線を驚くほどないがしろにして、その瞬間瞬間の対立関係や状況の緊張感のみを求めて進行する、場当たり的な物語だということです。 理屈をすっ飛ばし、必要と思われる説明的なセリフも解説シーンもないおかげで、テンポよく中弛みもなく、物語全編に余さず緊張感が漂ってはいるのですが、何か大事なものを置いてきてしまっている気がします。 物語の縦の線を軽視し、視聴者をTVに引き付け続けることを重視した作劇は、ドラマというよりもむしろバラエティーの作法ではないでしょうか。 また別の見方をすると、「ウルトラマンA」初期のメインライターで、この14話の脚本を担当した市川森一は敬虔なキリスト教徒でして、例えば14話に限っても、登場する超獣の名前が「バラバ」というところや、「ゴルゴダ星で十字架に磔になったウルトラ兄弟」を「ローマ兵のようなデザインのエースキラーがいたぶる」ところとか、なかなか聖書的な暗喩に満ちています。 4兄弟のいるゴルゴダ星にミサイルもろとも突っ込もうとする、北斗の一見すると意味不明な行動も、もしかしたら愚かな人類の罪を一身に背負った、聖人の「殉教」や「贖罪」的なものを、市川森一は描こうとしたのかもしれません。 ただ、キリストが磔刑にかかる行為に「贖罪」の意味が与えられるのは、ひとえに「神」が存在するという前提あってこそで、もし「神」がいないとなればそれは「贖罪」ではなく、反政府主義者が自首してきて磔刑に処されただけ、となります。同様に、北斗の行動も市川森一は「神」のようなものの存在を前提にして意味合いを持たせているのかもしれませんが、その前提の提示がない以上、やはり闇雲に自己犠牲に向かう意味不明な行動としか視聴者は捉えられないんですよね。 ともかく、そういういくつかの描きたい聖書的なシチュエイションが市川森一の中にまずあって、それを無理矢理つなげたために、物語の縦の線がグダグダになってしまったのかもしれません。 帰ってきたウルトラマン エースの13・14話では「ウルトラマン二世」と呼ばれていた、ウルトラマンジャックこと、新マンこと、帰マン。 変名が多いのでややこしい彼ですが、ここでは私が馴染み深い「新マン」で統一したいと思います。 右がアルティメットモンスターズ版の新マンで、 左がアルティメットソリッドの新マンです。 モンスターズ版のほうが体色が地味になり、アローを持つ右手が新造形になっています。 ところで、ソリッド版についてたスティック、なくしちゃったみたいです。そのうち見つかるといいんですけど… ウルトラマンエース 新マンと同じく、右がアルティメットモンスターズ版、 左がアルティメットソリッド版です。 造型に差はないようで、モンスターズ版のほうが体色がすこし地味になっています。 |
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凶悪超獣ブラックサタン ほいきたブラックサタン。 エースロボットとエースキラーなら、バラバを立体化すればすわりが良かった気がするんですが、なぜかブラックサタン。 オンエア時には「凶悪超獣ブラックサタン登場」となっているのにいつのまにか「暗黒超獣ブラックサタン」に変わっているブラックサタン。(wikipediaでも暗黒超獣になってる) 彫刻家に化けた宇宙仮面(そういう名前の宇宙人)が近所の幼稚園の子供とともに作った像が巨大化した超獣です。 「ウルトラマンマックス」の14話「恋するキングジョー」がこれと似たシチュエイションになっていました。 フィギュアの造型はなかなかいいです。左右の耳の大きさが違うところまでソックリです。 全体的に塗装がきれいすぎるので、少しウェザリングを施すとよいかも。 ただ、フィギュアの体色はこのとおり緑がかっているのですが、DVDも当時のスチル写真も、ブラックサタンは「青い」んです。 …なぜ緑系に? まぁ、ブラックサタンという名前なのに青いのもどうかと思うんですけど。 青白いのにレッドキングってのもいるじゃんとおっしゃるかもしれませんが、アレは塗装工程が終わったあとで初めて成田亨がレッドキングという名前を聞かされた、といった大忙しの現場だったからです。 破壊の街の黒き超獣 …本編にこんなシーンはないんですけど、エースの場合あんまりそゆこと気にしてたら何も作れません。 ブラックサタンの登場する第22話「復讐鬼ヤプール」はエースの様式に沿ったいつもの映像ばかりで、 特に印象的なカットや、ブラックサタンならではといったシーンは、ぜんぜん存在しないのです。 で、この第22話「復讐鬼ヤプール」もグダグダな話なんですわ。 長いので、すっ飛ばし推奨。 エースに連敗を続けるヤプールは切り札として宇宙仮面を送り込みます。宇宙仮面は隕石に乗って派手に地球にやってきて、思いきり北斗と南に目撃され、着陸(墜落?)の目撃者を派手に殺害。さらにはTAC基地に派手に先入し、警備員を3名ほど派手に殺害。地下施設に爆弾のようなものを取り付けます。そこに駆けつけたTAC隊員の攻撃の前に逃走、盗んだバイクで走り出す宇宙仮面を、タックパンサーでパトロール中だった山中隊員と美川隊員が追跡します。ところがタックパンサーは宇宙仮面の変なポーズ(超能力?)で崖下に落下、山中隊員は軽症ですんだものの、パンサーから投げ出された美川隊員は死亡してしまいます。しかし、助けを求めて事故現場を離れた山中隊員が隊長たちと戻ってみると、美川隊員の死体は消えています。そこに通信が入り、美川隊員は近くの病院に運び込まれ、元気にしていることが判明するのです。山中隊員はまったく腑に落ちません。隊員たちが病院に駆けつけてみると、微笑む美川隊員と、紫のガクランをまとったサカイジロウと名乗る怪しい青年が待っているのでした。しかし視聴者は知っています。そのサカイジロウこそが宇宙仮面だということを!! ここまでがAパート。流れはとてもスピーディーでアクションも多く派手。採石場を隕石落下現場のクレーターに見立てたロケも見事です。そして謎めいた宇宙仮面の行動もミステリアス。TAC基地に仕掛けた爆弾のようなものはなにか?なぜ美川隊員を生き返らせたのか、サカイジロウに化けた宇宙仮面の目的はなんなのか!? で、Bパート。 1週間後、北斗と南はパンサーでパトロール中、幼稚園で子供たちと超獣の像を作るサカイと、彼に寄り添う浴衣姿でラブラブモードの美川隊員を見かけます。サカイさんに犬のおもちゃをもらったとノロケるかわいい美川隊員。ところが北斗は、サカイの腕に宇宙仮面がしていたのと同じブレスレットを見て、彼は宇宙仮面ではないかと疑いをいだきます。美川隊員はサカイの潔白を証明すべく、梶主任の作った分析用ペンダントを、自らサカイの胸にかけるのでした。白いワンピース姿の美川隊員可愛い。ちなみに4話でチャイナドレス姿で縛られる美川隊員もけしからんほどに破壊力あります。 しばらくしてブラックサタンの像が出来上がったそのとき、ペンダントによるサカイの体組織分析は終了し、彼が人間ではないことが判明します。直ちに幼稚園の急行するTAC隊員。しかしその前に立ちふさがる美川隊員。美川隊員はサカイを「あなたはインベーダーなんかじゃない、そうでしょう?」とかばうものの、サカイは宇宙仮面の姿に戻り「このときを待っていたのだ!武器を捨てろ、さもなくば(幼稚園の)子供たちの命はないぞ」と脅迫します。TAC隊員がタックガンを捨てると、宇宙仮面はおもむろにブラックサタンを巨大化させ、町を破壊しだすのでした。アローに乗る南隊員とともに反撃に出るTAC隊員。 あとは通常ルーチンで、しばらくのTACの攻防ののち、北斗と南がエースに変身しブラックサタンと戦います。エースのピンチに、美川隊員は団地の屋上でブラックサタンを操る宇宙仮面を射殺。挽回したエースはブラックサタンを葬り去るのでした。 あーおもしろか… …って、え??単身でTAC基地に侵入できるほどの宇宙仮面が、美川隊員を生き返らせてまで取り入った理由って、結局なんだったの?「このときを待っていた」ってどのとき?それに武器を捨てさせた意味なくない?だって、せっかく子供を人質にとってTAC隊員に武器を捨てさせたのに、直後にブラックサタンを巨大化させたら、みんなすぐに武器を拾ってブラックサタンを攻撃してるんだもん。人質作戦に意味がなかったとすると、幼稚園で像を作ってた理由もわからなくなるし、ああもうなにが目的なんだ宇宙仮面。 あと、最初に基地に仕掛けた爆弾はどうしたんだろう… これも結局、縦の線を軽視して、その瞬間瞬間の緊張感で引っ張るだけの特撮バラエティーです。話のテンポは素晴らしく良く、中弛みがまったくないのは本当に凄いので、特撮ドラマである1期と単純に比較して否定するよりも、むしろ子供向けバラエティ番組として視聴し評価するのが正しいのかもしれません。話に変な悲壮感も説教くささもないからか、それでいいやって気になります。(笑) なんか、美川隊員がエロ可愛くて男運が悪いってことばかりが印象に残るお話でした。 |
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宇宙恐竜ゼットン 目も鼻も口もないのになんとなく「顔」として認識される異形のデザイン。 このゼットンの顔は、デザインした成田亨によると「中世の甲冑の兜をアレンジした」ということですが、どこが?と思いつつもなんとなくわかる気もするというあたり、天才のアレンジはすごいです。 わけのわからない不気味さと迫力のある、すばらしいデザインだと思います。 ちなみに、ゼットンが全然「恐竜」っぽくないのは、デザイン発注を受けた時点では「怪獣」ではなく「ウルトラマンを倒す最強の宇宙人」ということになっていたから。 この行き違いが、怪獣というにはイレギュラーで無機質なゼットンのデザインを生んだのかもしれませんね。 左は、HDの「ウルトラマンマックス」版ゼットン怪獣。 こうして比べると、マックス版はリファインされた分カッコよくなって、スーツ的にも動きやすそうになったものの、初代の持つどことない不気味さがなくなっている気がして、良くも悪くも今風です。 まあ、できの良いフィギュア同士だからこそ、そういう雰囲気の比較ができるわけですが。 ところで、胸のクリアパーツがポロポロ外れがちです。 接着が弱いようなので、瞬着で再接着してあります。 「ピポポポポ…、ポポポポポ…(1兆度ですよ〜(嘘)、熱いですよ〜)」 炎と煙は合成、というか煙でもともとの背景がすっかり隠れてしまいました。 ゼットンも半分くらいしか見えないし… この画像では跡形もないほど背景をいじりましたが、その合成とレタッチ手順は以下のようになっております。 長いので、これもすっ飛ばし推奨。
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用心棒怪獣ブラックキング ナックル星人の用心棒、ブラックキング。 ただ出てきて戦うだけなんで これといったキャラクター性はありませんが、 強いていえば「とにかく強い」という存在感が、 こいつのキャラクター性といえるかもしれません。 とにかく、でかい牙、でかい角、太い手足と立派なシッポ、 さらにトゲトゲ付きで、カラーリングはヤクザカラーという、 ビジュアル的にもたいへん強そうな正統派怪獣で、 正直、ナックル星人の相棒として出てくるのは もったいない怪獣だと思います。 ナックルの相棒なんてズラスイマーでいいんじゃネ? あれもすっげー強いしサ。 フィギュアはの造型のほうが申し分ないだけに、 塗装のテカリが気になります。 モンスター版の新マンやエースみたく、 マット仕上げにしたらかなりリアルになると思うんですけど、 難しいのでしょうか。 ナ「さ、先生お願いします」 ブ「どお〜れ」 ナは、第壱集のやつ。 土煙はブラシによる手描きですが、それっぽく出来たかと思います。 土煙はいろいろ誤魔化すのにとても重宝しますので、様子をみながら細かく調節できる手描きが便利。 素材を用意して貼ったりしたらコントロールし切れません、多分。 手前に壊れた建物は、あちこちの解体現場で撮影した素材。 この瓦礫と、怪獣たちと、奥の建物のコントラスト差の調整がたいへん難しかったです。 どれもまったく違う条件で撮影した素材なので、明るい部分で合っていても暗い部分でおかしかったり、 部分的に、かつ、ほんの微妙にある色の差が違和感に繋がってたり。 こういう単色っぽい画像だと、1/256の差でも気になることがあったりするのです。 そこで便利な土煙です。 そういった、いくら補正・調節してもおかしいところを、土煙をフワっとかぶせて誤魔化すわけなのです。 次回は、どうやら予約できたらしい仮面ライダーG3・G3-X・G4で、 いけるんではないかと思います。 |
2007年7月29日 1:55:58 |