今回はいつもと少し趣旨を変えまして、
あるキャラクターのフィギュアを中心としたデジラマ合成画像をお見せするのではなく、
その「合成画像の表現方法」そのものを中心とした内容となっております。
…ていうても、なに言ってるかわかりませんよね。

つまり、「このアニメのフィギュア」でデジラマ作りました!ですとか、「この子のフィギュア」でデジラマ作りました!ではなく
今回は「似たような作り方のデジラマ合成画像」でまとめてみました!っていうことです。


皆様ご存知でしょうけれど、しばらく前から、実際の風景をミニチュアのように写した画像を、ネットで見かけるようになりました。
チルトシフトレンズという、どこまでもフォーカスの合った写真を撮るためのレンズを逆用(?)して、
極端に狭いフォーカスの写真を撮ると、ミニチュアジオラマのような不思議な写真が出来上がるのです。
ちなみにネットのあがっているチルトシフト画像の多くはこのレンズを使って撮影したものではなく、
tiltshiftmakerのようなサイトで加工したものですとか、スマホのカメラアプリで作れちゃうものとか、
フォトショで上下(または左右)をぼかして加工したものです。
カメラから近いところと遠いところが大きくボケると、ミニチュア感が出るわけです。


たとえば下の画像のような感じですね。
左が加工前、右が加工後です。
とっても簡単。





…でもよく見るとおかしいんですよ。
左下にあるビルの屋上と、右下の地面では、カメラからの距離はまったく違うのに同じボケ具合になっていますし、
画面中央にある白いビルの屋上と、遠くにあるビルも、距離がまったく違うのに同じくらいのボケ具合になっているのです。
カメラからの距離に関係なく、単純に上下をボカしているので、こういった理屈に合わないボケかたになるのです。
もっと凹凸のない平面的な俯瞰図であれば、上下ぼかしできれいにミニチュアっぽく見えるんですが、
それはそれでありがちで物足りない。

では、こういう画像で理屈に合うようなボケかたにするには、
どうすればいいでしょうか?



答えは簡単です。
カメラからの距離が同じくらいの部分を順番にマスクして、ぼかしていけばいいんです。
ビルの立体感を考慮しつつ、屋上の鉄骨とか、手すりとかもマスクしていくんです。
全部。







…えっ?
今、全部って言った?








という具合で、とっても簡単!にできたのがこちらの画像です。
真ん中にいるのはwaveのビーチクィーンシリーズのあずにゃん。
チルトシフト風に挑戦したのは、ミニチュアの街にフィギュアを合成した、こういう不思議な感じの画像を作ってみたかったからなんです。






こちらもチルトシフト風ですが、俯瞰図ではなく、平面的な奥行き感のある画像です。
特撮チックですね。1/8計画的とでも申しましょうか。
場所は恵比寿ガーデンプレイスの、サッポロビールステーション。
モデルは、まさかの1/7フィギュアが発売される「Se・きらら」の亜矢さんです。
恵比寿にちなんでサッポロ生の缶を持ってもらいました。

俯瞰図だと、近いところと遠いところが画面上で隣り合うことは割と少ないのですが、
平面ですとこのように、手前の物の間に遠くのビルが見えたりするので、
そういう部分のマスク処理がモーレツに地獄でした。
(夜景だからごまかせている部分があると思います)
それでいて俯瞰図のようなミニチュアチックな面白みが出ないという、この徒労感。







2期製作も決まった「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の、ヒロイン黒猫こと瑠璃たんと、きりりん氏figma。

きりりん氏の後ろにあるのは、関東住みのオタクの皆さんならばお馴染みかもしれない都立産業貿易会館、こと、都産貿。
同人イベントなどがよく開催されている場所であります。







こういうのも作ってみたかったんですよ。
ミニチュアがあったら、やっぱり怪獣フィギュアを置きたくなるじゃありませんか。
使用したのはリボルテック・巨大レギオン&ポリストーンG2ガメラ。

今でこそ、怪獣映画のセットというのは作り物感のないリアルな街そのもの、というのが当たり前になっていますが、
昔の特撮では街はミニチュアであることが前提で、近い木やビルなんかボケボケに写っていたりして、
私はむしろそのミニチュア感に特撮「らしさ」を感じ、ときめいていたものです。
ガメラの昭和版では、「ガメラ対バイラス」でお腹刺されるところとか、「ガメラ対大悪獣ギロン」でウルトラCや空中戦などのシーンで、
ミニチュアのガメラをミニチュアのセットで戦わせるという、かなり大胆な特撮を見ることができます。
これなんかもう、近いところと遠いところがボケてて、おもちゃっぽさ全開。
朝日ソノラマのムック本、ファンタスティックコレクション・ガメラを開いては、
そんなスチル写真を眺めてはうっとりしている。
私はそんな子供だったのでした。

今回は、そんなノスタルジックな特撮のワンシーンを作ってみました。





「おとこのひとこわいよう」

男性恐怖症。でも男性に超暴力を振るう。
とても怖い。でも超可憐。
「WORKING!!」のヒロイン、伊波まひるさんのねんどろいどです。
その猛烈にキュートな表情に、箱から出してしばらく、口をポカンとあけたままただ眺めておりました。
ああもうかわいい!守ってあげたい!(その必要ないけど!)

男の人が怖い伊波さんはよく電柱の後ろに隠れてたりしますが、ここではビルの後ろに隠れてもらいました。






最後はフィギュアではなく、花壇のお花を合成。
ガメラの画像の背景をリサイクルです。
のどかな光景なのか、はたまたレギオンの草体か。

花や葉っぱのマスク切りとか、フィギュアの十倍以上めんどかったです。
その上、花のボケ具合に合わせてマスクもボカすんだぜ?
葉の影とかも入れるんだぜ?
…ひまわり1本、とかにしとけばよかった。





ところで私、最近Tumblr(タンブラー)という、画像のTwitterみたいなのをはじめてまして、wikipedia:Tumblr
今回の更新の画像のベータ版なども更新に先立ってアップロードしております。

こちらがその私のページ Little Treasures です。

ここには、私が作ったデジラマや撮影した風景写真と共に、私が気に入ってリブログしたほかの人の作品が表示されています。
上のあずにゃんの画像の未完成版や、黒猫しかいない画像のほか、サイト更新で使用していないデジラマなども掲載していますので、
こちらもたまに覗いてみてください。


2012年6月22日 1:39:08