3月12日(金)曇りのち雨 ここしばらく毎日晴れていたので、つい天気予報を見ずにでかけてしまったのですが、 困った事に、お昼くらいから雨がざあざあ降ってきてしまいました。 友達と一緒に駅まで来たのですが、その子達も電車で帰っちゃったし。 そんなわけで、今わたしは駅に一人ぼっちです。 ・・・天気予報、見てくればよかったな。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 たまき:どうも、雨やみそうにないね。傘買って帰ろうかな〜。 ・・・あれ?あの車・・・。 ヴォヴォヴォン・・・ボボボボボボボボ・・・・ ふう:たまきちゃん、やっほー!どうしたの? 誰かと待ち合わせ中? たまき:ううん、ただの雨宿り中。みんなとここまで来たんだけど、 これからどうしよう、って思ってたところなの。 風ちゃんこそ、駅になんの用なの? ふう:今さっき、そこで友達を降ろしたところ。 車があると、便利に使われちゃってさ〜。 たまき:・・・そんなこと言われると頼みづらいんだけど、 お願い、家まで送って。 ふう:ああ、ごめんごめん。そんなつもりで言ったんじゃないよ〜。 たまきちゃんは特別に決まってるじゃん。乗って乗って。 たまき:ありがとう〜、たすかるよう。 ふう:靴の泥、落として! たまき:ハ、ハイッ。 たまき:・・・芳香剤変えた? ふう:うん、香りを変えると気分も新しくなるから。 もう春だもんね。 たまき:きょうはあんまりスピード出さないのね。 ふう:この車、パワーが有り余っているから、今日みたいな路面の日は ちょっと安定しないの。 今、だいぶタイヤが減っちゃっているし・・・。 だから、安全運転。 たまき:・・・ふうん。(←良く分からないけど、安全運転ならいいか、とか思っている。) ふう:それにしても、洗車して、オイルも変えたばっかりなのに、 雨ふりだなんてついてないよ。 たまき:大事にしているんだね。いつもピカピカだもんね。 ふう:でもさ、こんなごつい車に乗っていると、男の子がビビっちゃって、 あんまり近寄ってこないの。 わたし、髪の毛も短いから、すごく男っぽいと思われているみたいだし。 たまき:ええ〜、風ちゃんが? ・・・そうか、きっと高校のころの、女の子らしい風ちゃんを知らないからだね。 確かに前と比べると、見た目「カッコ良く」なっちゃったもん。 今の風ちゃんは、昔の風ちゃんからは想像できないよ。 ふう:そうだよね〜。イメチェンしすぎたかな。 たまき:・・・だけどわたしは、今のふうちゃんも可愛いと思うよ。 ふう:クスッ、ありがと。 たまきちゃんは昔と全然、変らな・・・・・・。 たまき:・・・・・・? どしたの?わたしの顔見つめて・・・。 ふう:え?うん、いや、 ・・・たまきちゃん。 たまき:なあに♪ ふう:・・・・・・ふ、太ったんじゃない? たまき:・・・な、なあに♪ ふう:だから〜、このあいだ会ったときより、ほっぺたがプクプクしている気がするの。 ちょっとさわらせ・・・ たまき:やだっ!やだやだ〜、さわんないでよ〜!(>0<;)// ・・・はぁっ!?ほんとだ、そう言われてみると、プクプクしてるかも。 ふう:どれどれ? たまき:ほら、プクプク〜。 ふう:ほんとだ。プクプクでスベスベ〜。 なんか、いい触り心地。ずうっと触っていたいくらい・・・。 たまき:そう?・・・あんまり嬉しくないけど。(笑) ふう:プクプクで・・・スベスベ。 たまき:あのぅ・・・もういい? ふう:ああ、うん。 どうしちゃったの〜?・・・心当たりある? たまき:・・・お菓子の食べ過ぎだと思う。 あのオーブンがうちに来てから、 ここのところ暇さえあればお菓子作っていたから。 なんでも作れちゃうから、楽しくって・・・つい。 ふう:それで、そのお菓子を食べていたの? たまき:紅蘭も喜んでくれるから、なんか嬉しくて・・・つい。 ふう:暇さえあればって、どのくらい? たまき:趣味みたいなものだから、どっちかというと、お菓子のために 時間を作ったりして、 ・・・毎日、つい。(笑) ふう:そりゃ、プクプクするよ。 たまき:はぁ〜〜〜。 前はこんなことじゃ太ったりしなかったのになぁ。 そう言えば、最近運動していなかったか・・・。 ちょっと前までは、習慣で毎朝走っていたのに。 ふう:陸上選手だったもんね。 いまはプクプク選手だけど。(笑) たまき:なんだよ、それ〜。 ・・・明日から、また走るよ。 お菓子もあんまり作らないようにする。 ふう:変なダイエットしないでね。 たまき:大丈夫。そういうのは専門分野だから。 ふう:そう言えば、紅蘭も同じ生活してるんじゃないの? あの子もプクプクしてるんじゃないのかな。 たまき:どうかな、・・・・・・わかんない。 わたし、自分の事にすら気が付かなかったもん。 ふう:あともうちょっとで、たまきちゃんちに着くから。 紅蘭を見ればわかるよ。 たまき:ただいま〜紅蘭。ふえ?バニラとジンジャーのいい匂い。 ・・・お菓子? 紅蘭:おっかえりなさ〜い。 ふう:おじゃましますよん。 紅蘭:ああ、ふうも一緒かいな。よう来たな。 ちょうどええわ〜。今な、うちドーナツ作ってん。 ふうが来るとわかっとったら、もっと多めに作ったのになぁ。 たまき:紅蘭がお料理?まさか・・・。 紅蘭:ああ?男とちゃうで。 今度アタックするときは小細工なしで、うちの内面の魅力で・・・、 いや、まあ、それはええねん。 たまきにいろいろ作ってもらってるし、いつも悪いなぁって思ってたんやけど、 テレビで今日、これを作るのやっててなぁ♪ いままでのお返しって言う訳やないんやけど、うちもやってみたんや〜。 基本的に揚げ物やし、こういうのんは、ちょっと作れるんやで。 たまき:そ、そうなんだ。(・・・なんだか、油っこそう。テカテカしてる。) ふう:紅蘭、ちょっとそこで一回転して見て。クルッと。 紅蘭:ん?なんや?・・・ええけど。(クルリ) ふう:紅蘭は、前より・・・ちょっとやせたね。 紅蘭:そうかぁ?う〜ん、そうかもしれんなぁ。 やっぱり、もう少し食べなあかんかぁ・・・。 たまき:・・・・・・ふ、不公平。(笑) 紅蘭:冷めてもうたら、レンジで温め直そう思ってたんやけど、 2人ともちょうどええとこに帰ってきたな。 ふうも食べてって♪揚げたてやで。 たらんかったら、まだまだドーナツ生地はあるさかい、 なんぼでも揚げたるでな。(⌒▽⌒)/ ふう:あのぉ、紅蘭? 紅蘭:なんや? ・・・どないしたん、ふうも、・・・たまきも。 もしかして、2人とも何か食べて来たん? たまき:違うよ。そんなことない。 う〜んと、風ちゃんは食べ・・・ ふう:・・・たまきちゃん、ちょっとこっち来て。(ぐいっ) たまき:うわっ、なによう。 紅蘭:なんやあの2人、コソコソと〜。 せっかくうちが作ったドーナツやのに、なんで食べてくれへんのや。 出来立てが一番美味しいのになぁ、もう〜。 ・・・どれ、ちょっとお味見。 ( 密談中 ) ふう:食べちゃだめだよ、あんな油っぽいもの〜。 あれ、凄いカロリーだよ。 たまき:でも、せっかく紅蘭が作ってくれたのに・・・。 お料理作ってあげたのに、相手が食べてくれないと、とってもガッカリなんだよ。 ふう:ガッカリだってしょうがないじゃない。 今大切なのは、「たまきちゃんがこれ以上太らない事」なんだから。 たまき:でも〜・・・紅蘭に悪いし。 ふう:紅蘭の事を考えれば、そりゃそうかもしれないけど、 自分自身の事も考えないとダメだよ。 そんなの、お人好しすぎるよ。 たまき:あのね、・・・このあいだ、わたし、クッキーを廊下に落としちゃったの、 でも紅蘭はそれを知っていて、気にせず食べてくれて。 あれ、すごく嬉しかったの。 クッキー焼いて良かったなぁ、って思って。 ふう:・・・うん。 たまき:紅蘭はわたしの気持ちを、ちゃんと考えてくれたんだもん。 だからわたしも、 ・・・紅蘭の気持ちに答えないといけないと思う。 ふう:そのとき紅蘭は、お腹が空いていただけかもよ。 たまき:そっ、 ・・・・・・そうかな。 考えてもみなかった。(笑) ふう:だからたまきちゃんは、いい人すぎるって言うんだよん。 たまき:う〜、だってぇ〜。 ふう:・・・でもわかった。一緒に食べよう。 わたしもたまきちゃんのお人好しに付き合うよ。 たまき:・・・ごめんね、風ちゃん。 ふう:なんで謝るの?気にすることないよ。 たまき:そうじゃなくて、 ・・・風ちゃんがさっきちょっと冷たいことを言ったのって、 わたしが紅蘭のことを気遣ったのと同じように、 風ちゃんがわたしのことを気遣ってくれたからだよね。 それなのにわたし、風ちゃんの気持ちに答えてあげられなくて・・・。 ふう:・・・そ、そうやって、人の気持ちを読んじゃう子は嫌い〜。 たまき:あはは、ごめんね。 でもちょっと嬉しかったから・・・。 たまき:紅蘭お待たせ・・・、あれ、紅蘭のドーナツは? 紅蘭:ああ、・・・あんなもん、もう捨ててもうたわ。 ふう:ええ〜っ? たまき:そんな〜!わたし食べるよぅ!! 紅蘭:いや、あのドーナツなぁ・・・うち、 うっかりして砂糖と塩を入れ間違えてん。
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