7月20日(火)晴れ
今日はレナさんの招待で、彼女の職場を見学させてもらうことになりました。
レナさんの勤め先はTPC。つまり世界平和連合です。
TPCについてはわざわざ説明するほどのこともないかもしれませんが、
サワイ国連事務総長の呼びかけで先ごろ結成された国連に代る新しい国際組織で、
このTPCよる、世界の軍備の完全解体実現のニュースは衝撃的でしたね。
(サワイ事務総長は、いまはTPCの一番偉い人です。)
わたしと紅蘭は、TPC極東本部基地のある海岸までやってきました。

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たまき:あれがTPC極東本部基地?遠目に見ても大きいねぇ。
 紅蘭:うちはまえに一度見に来たことがあるんよ。
    まだあの建てもんが工事中のときやったけどな。
    あの基地は沈降して水中に潜ることも出来るらしいで。
たまき:へぇ〜。まるで秘密基地だね。
    でも、いったいなんでまた。
 紅蘭:お役所にしては、不便なとこにあるしなぁ。
    何も海の上に作らんでも・・・。
    カッコええから構わんけど。
たまき:あの車、レナさんじゃない?

 レナ:二人ともお待たせ〜。
たまき:レナさんこんにちは。
 紅蘭:レナはん。それがTPCの制服なんか?
    むっちゃカッコええやん。

ダイブハンガー&GUTSレナ

 レナ:ふふっ、ありがとう。
    まだ正式に決められたものじゃないんだけどね。
    ひだり胸のここのところに、新しいチームのマークが入る予定だし。
    細かい変更もあるかも。
たまき:でも、新しい制服に袖を通すのって、妙に嬉しいですよね。
 レナ:そうそう。どうしてもニヤニヤしちゃったりして。
 紅蘭:つまり、その制服を見せびらかしに来たっちゅうわけやね。
 レナ:えへへへ。そういうわけじゃないよ。
    今勤務中なの。
 紅蘭:ほな、・・・おサボり?
 レナ:違うよ、人聞きの悪い。あなたたちの見学の案内も仕事のうちなの。

    ささ、基地に行こう。


 レナ:じゃあ、私の後についてきてね。ここは通路が多いから、
    勝手にどこかに行くと簡単に迷子になるよ
たまき:中に入ると、改めて大きさを感じますね。
    すごく広い・・・。
 紅蘭:あんた、さっきから「大き〜い」と「広〜い」ばっかりやん。
たまき:だって、だってそうじゃな〜い・・・。

TPC内部・格納庫

 レナ:みんな最初は驚くよ。
    岸から見ただけじゃ比較するものがないからわからないけど、
    この建物は相当大きいよ。
    端から端まで歩くと、いい加減嫌になるもの。
 紅蘭:まるで有明の国際展示場みたいやね。(笑)
    そんなのが、まるごと水中に潜ったりするんやもんなぁ。スゴイなぁ。
 レナ:ああ、潮が満ちるとね。
 紅蘭:・・・え?
 レナ:新月と満月の日は、満ち潮で基地が海に沈んじゃうの。
    いろいろ不便だけど、窓から水中が見られてちょっと水族館気分だよ。
たまき:なるほど。いいですねー。
 紅蘭:・・・あれは、そういうことやったんか。
 レナ:ピラミッド状のこの建物には、私達が暮らす生活区、ライドメカの格納庫、
    メディカルセンター、作戦司令室、そのほか福利厚生施設もあるの。
    これ自体が一つの都市として機能してるのよ。

ホリイ:おぅ、レナやないか。
 レナ:ああ、ホリイ隊員。
    やっとお昼休み?
ホリイ:うん。サブシステムへの切り替え試験が一段落したとこや。
    あとは、切り替用のシャレたパスワードを設定するだけやな。
    ・・・ところでどないしたん。べっぴんさん二人も連れて。
 レナ:この二人は私のお友達で、
    たまきちゃんと、紅蘭。
たまき:(この人、カッコイイ・・・。)
 紅蘭:(なんや、むっっちゃ男前やん・・・。)

心の目で見たホリイ隊員

たまき:ねぇねえ、私達のこと「べっぴんさん」だって。
 紅蘭:・・・あれはお世辞やって。
ホリイ:たまきちゃんと紅蘭さんやね。よろしく。
    僕はレナ隊員の同僚の、ホリイいうもんです。
たまき:よろしく・・・おねがいします。
 紅蘭:うちは李紅蘭や。よろしゅうな。
ホリイ:ほお〜。君も関西弁なんか。向こうの子なん?
 紅蘭:いや、うちは生まれも育ちも日本とちゃうんやけど、
    日本語習ったんが神戸で、それ以来これが定着してもうたんです。
    こっちの方が喋りやすいしね。
ホリイ:そうか〜。ネイティブやないんか。
 紅蘭:ホリイはんも、レナはんみたいな飛行機乗りなん?
 レナ:あれは、みんながみんなそういう訳じゃないの。
ホリイ:ええとな、ぼくはレナ達と違うて、特に航空機の操縦の腕を買われて
    「G機関」に入隊が決まったわけやないんよ。僕は本来は科学者なんや。
    いろんな分野のエキスパートを集めてひとつの強力なチームを作るゆうのが、
    この計画の目的なんやで。
 レナ:でもね、私達と違って、一人だけ総監のコネで入隊した人がいるのよ。
    ・・・ああいうのは困るよね。エリートチームって触れ込みなのに。
ホリイ:彼はどうなんやろうなぁ。秘めたる力を持ってたらええけど。

 紅蘭:レナはんやホリイはんの、そのチーム。超常現象調査チームか?
    そういうことに、国際組織が本気で取り組むなんてことあるんかいな、
    と、正直なとこ、そう思っててん。
    せやからうち、もっとこじんまりしたチームやと思ってたんやけど、
    結構本格的なんやね。
ホリイ:まあ、「そんなん予算の無駄遣いやないか」って意見はいつも出てくるんや。
    ガチガチの科学者の人達は特にな。
     でもな、超常現象っていうのは、原因が分からんだけで
現象はちゃんと存在してるんや。
その存在を無視するん科学的な態度とは言えんのやないかな。
そりゃ中には科学と何の関係もないでっち上げや嘘、
ただの噂なんかもある。
しかし、そういうものを除いてなお、残るものがあるんよ。
それが、実際に現象として存在しながら、原理の説明できない
真の超常現象や。
僕らの仕事は、これらを調査して原理を説き明かし
現代科学にフィードバックさせることなんやな。でも、こういう事をゆうても超常現象はオカルトで
神秘主義やとか、そんなモノは科学やないとか、そういう事を言ってまったくあいてにせん
科学者達もいてな。まあ元々そういう風潮は昔からあって、例えば進化論や。現在の主流で
あるネオダーウィニズムにおいては、進化というのはランダムに起こった突然変異した個体が、
自然選択によって生き残って優性遺伝し繁殖してきた結果ということになっとって、それ以外の
原因は一切否定されてるんや。せやから、これは日本語に訳されたときの問題もあるんやけど、
進化と言うのは進歩のことやないんよ。これは全然違う概念で、自然選択によって選ばれてき
た生物は、優れているから選ばれたんやなくて、そこにある自然にたまたま適応したから生き
残っているんや。日本語では「進む」っちゅう字を使うからややこしいんやな。英語ではエボリュ
ーションや。それはともかく、オーストラリアの有袋類を知ってるか?オーストラリア大陸が一億
年前にパンゲア大陸から別れて、他の大陸に残った哺乳類と別に進化してきた連中なんやけど、
別々に進化してきたにも関わらず、お互いにほとんど見分けのつかん姿になっている種がおる
んや。有胎盤類のモモンガと有袋類のフクロモモンガ。有胎盤類のトビネズミと有袋類のフクロ
トビネズミ。有胎盤類のオオカミと有袋類のタスマニアオオカミ。特にタスマニアオオカミの骨格
は、専門家でないとオオカミと区別がつかんらしいわ。有胎盤類と有袋類が進化の過程で別れ
たんは遥か一億年も昔、まだまだ哺乳類が自然界の隅っこで生きていた頃や。そこから別々の
道を歩んできて自然界において同じ役割を果す動物に同じ姿で進化したのも、ネオダーウィニズ
ムでは「その環境がたまたま同じだったから」ということになってるんや。これはいくら何でもない
と思う。そないなこと言うてたら、進化論は科学やなくなる。ただ、今ある現象の説明や。有胎盤類
と有袋類の類似には何か秘密があるんや。僕が思うに、外的にせよ内的にせよ、進化には方向
性を決める要因がある。ただその原理がわからないんやな。今の理論で説明できんことがある
以上、その理論は適応される条件がかぎられたものであるか間違っているということや。しかしな、
そういう事をいうと生気論とか神秘主義やとか言われるんや。これは進化論者が進化を否定する
キリスト教の神学者達と長い間戦ってきて、ついつい身に付いてしまった防御本能かも知らんけ
どな。ちなみに、生気論と言うのは生命の力によって進化して来たと言う説でな、この生命の力が
まったく実証されてない以上、それを元に理論を構築しても意味ないし科学的やないから、いまの
ところ異端とされている説や。しかしながら、生気論でないにもかかわらず一見そのように見える
というだけで、新しい説を異端で非科学的な説とする風潮が存在する。これは事実上、突然変異と
自然選択以外の要因は認めない、ネオダーウィニズム以外は認めないっちゅうことや。
こんな話あるかいな。新しい考えを受け入れ、吟味していく柔軟さをなくしてもうたら、科学は駄目
になる。もう、ガリレオの宗教裁判みたいなとこに戻ったらアカンねん。これは全ての分野について
言えることや。TPCは、どちらかというと柔軟な科学者達が中心になって立ち挙げた組織で、
サワイ総監の後押しも有るから、
    僕らのチームみたいのが大規模な活動をすることが出来るんやな。
    僕らが成果を上げることが出来たら、これからの科学は変るで〜。
たまき:?????
 紅蘭:・・・まあ、なんとなくわかりましたわ。
    ホリイはん達は、いままで試みられなかった新しい角度から、
    真理の追求を目指しているんやね。
ホリイ:そうそう、要するにそうゆうことや。

 紅蘭:ところでな、ちょっと聞きたいことがあるんやけど。
    超常現象にそういうスタンス持ってるホリイはんやったら、
    ちゃんと答えてくれるかな。
ホリイ:なんや。僕に分かることやったらなんでも教えたるで。
    TPCの機密事項以外、やけどな。(笑)
 紅蘭:ネッシーでもモケーレムンベでもサボテンダーでもええわ。
    幻の怪獣ってホンマにおるんか?
ホリイ:はあ?
    おらん。おらんで。なにゆうてんねん。
    怪獣なんかおるかいな。
    巨大生物が何千万年も細々と生き長らえてるなんてありえんよ。


たまき:・・・また紅蘭たら、あんなこと聞いちゃって。
    レナさんが「怪獣はロマンだ」とかいうからいけないんですよ。
 レナ:だぁって〜。

 紅蘭:ほな、宇宙人は?UFOに乗った宇宙人は?
    地球に来てるんやろ?どうなん?
ホリイ:変な本の読みすぎやで。宇宙人も確認されてないよ。
    確かに何か未確認の物体が空を飛んでいるのは認めるけど、
    あれは未解明の自然現象ちゃうか?考えたらわかるやん。
    遠い宇宙から来た人が、わざわざジグザグ飛行したり
    分裂して見せたりせんやろ。
 紅蘭:ええ〜、そんなん嘘や。うちにはホンマのこと教えて。な?な?

討議中

ホリイ:ホンマの話やって。
    だいたいな、さっきは大きい事言うたけど、
    実のところ、僕らに来る調査依頼って、まだまだたいしたことないねん。
    やれ、色がさかさまの虹が出ただの、怪獣売ってくれと怪しい男に聞かれただの、
    あのショーの怪獣のゆうびんやさんは着ぐるみとは思えないだの、
    夜泣きソバ屋のナベから「遊ぼう〜」って声かけられただの、
    カラス人間が変な歩き方してるだの、もう訳わからん通報ばっかりや。
    なかなか、僕らが調べるような事件は起こらんっちゅうことやな。
 レナ:そうそう。
 紅蘭:ん〜。そうなんか。宇宙人はおらんのやね。
    つまらんなぁ。・・・現実って、ロマンのかけらもないなぁ。
ホリイ:紅蘭、それは違うで。
    確かに怪獣も宇宙人も、実際にはおれへん。
    僕らの仕事は、怪獣や宇宙人とは関係ない。でもな、
    これから出会う事件の中に、何か真実に近づけるものがあるかも知れん。
    僕はそう思うんや。
    ロマンというのは、そこら辺にあるものとちゃう。
    自分の心にあるもんなんやで。
 紅蘭:・・・ホリイはん。おおきにな。そのとおりやわ。
    具体的にはようわからんけど。
ホリイ:それもまたロマンや。

 レナ:紅蘭、ホリイ隊員と盛り上がってるところ悪いんだけど、そろそろ行こうよ。
たまき:そうだよ。それにホリイさんだってせっかくの休み時間なのに。
ホリイ:うん。まあな。そういえば忙しかったんや。
    さっさとライドメカを作らなあかんし。潜水艦が遅れてるんや。
    ワキからごちゃごちゃ部外者が口出ししよってなぁ・・・。
 紅蘭:せやな。じゃあホリイはん。
    名残惜しいけど、ほなな〜。
ホリイ:元気でな。


たまき:・・・ホリイさんって、カッコよかったね。
 紅蘭:せやなぁ。思わず話し込んでもうたわ。
 レナ:もう、二人とも・・・。まあしょうがないけど。
    ホリイ隊員はモテるからね。
たまき:え?・・・あ?やだ。そんなんじゃないですよ〜。
    なんてゆうか、ただ、思わず見とれちゃって・・・。
 レナ:明晰な頭脳、的確な判断力と決断力、どんな状況でも常に冷静で、
    いざというときには危険に飛び込んでいく勇気も持っている。
    にもかかわらず、奢るところがない。
    それであのルックスでしょ。もう女子職員憧れのマトなの。
    ああいう恵まれた人もいるのよねぇ。
 紅蘭:住む世界が違うって感じやな。
たまき:でも、レナさんのことを「レナ」って呼び捨てで呼んだりするから、
    最初、あのホリイさんて人はレナさんの彼氏さんかと思いましたよ?
 レナ:あれは違うの。なんでかしらないけど、私のチームの男性諸氏は、
    ヤズミって子を除いて、みんな私のことを呼び捨てにするのよ。
たまき:そうなんですか。

 レナ:それに、・・・ホリイさんには、ちゃんと彼女がいるらしいから。
たまき:ああ、そりゃそうですよね。
 レナ:聞いたところによると、大学時代から一緒だった「サヤカさん」とかいう人が
    いるんだって。なんでも、今は遺伝子研究所に勤めているライバルと、
    男の戦いで取り合ったらしいよ〜。
 紅蘭:うわぁ〜。そういうのって実際にあるんやね。
    きっともう一人の方もカッコええんやろうな・・・。
 レナ:・・・さあねぇ。
たまき:それはそうと、レナさんには彼とか、いないんですか?
    レナさんだって、モテそうだけどなぁ。
 レナ:フッフッフ。知りたい?
たまき:知りたいですよう。
 レナ:いるよ。海洋科学研究所ってところに勤めてるの。
    ・・・職場が移動して、会いたくても、なかなか会えないんだけどね。
    向こうから来てくれることもないし。
たまき:それってつらいですね。
 レナ:まーね。
    
(ピピピピ、ピピピピ)ちょっとごめんね。
    はい、レナです。・・・隊長。・・・はい。・・・
侵入者!?
    ・・・はい。了解しました。
    もう、こんなときに・・・。

 紅蘭:どないしてん。
 レナ:緊急呼び出しがかかっちゃった。
    ふたりとも悪いんだけど、その辺で見学しててくれるかな。
    私はこれから行かなくちゃいけないの。
たまき:はい。わかりました。
 紅蘭:なんや、尋常な事やないみたいやな。
 レナ:たまきちゃん、紅蘭。二人とも、ここから動かないでね。絶対。
    用事が片付いたら戻ってくるから。
たまき:は〜い。
 紅蘭:頑張ってな〜。
 レナ:じゃあね。(タタタタ・・・)

たまき:なんだろうね。侵入者・・・とか言ってたみたいだけど。
 紅蘭:・・・緊迫感あふれとったなぁ。
    まあ、こういうことはプロに任しといた方がええやろな。
たまき:なんだか頼もしいね。

 放送:緊急事態発生。緊急事態発生。警務局は直ちに出動してください。
    TPC職員はコードSの2に従って、すみやかに対処してください。
    
たまき:・・・始まったみたいだね。
 紅蘭:慌ただしくなってきたなぁ。
    隅っこ行ってよか。
たまき:そうだね。
    
ミツオ:ネェ、ケーイヒョウシテ。ケーイ。
 紅蘭:なんや?
たまき:・・・なに、あれ。

ただようミツオ人(びと)

 紅蘭:どうしたんやろ、こないなところに。
    迷子かな。
たまき:え?・・・違うでしょ?
ミツオ:ボクミツオ。チキュウノコトハボクニマカセテ。
 紅蘭:ミツオ君か?こっちおいでぇな。
    今みんな忙しいから、ここでうちらと見物してよう。
たまき:ちょっと、・・・紅蘭?
    この子ヘンだよぉ〜。
 紅蘭:今日はミツオ君も見学?
ミツオ:ウン。TPCガドンナトコロカミニキタノ。
 紅蘭:そうか。それやったら、うちらとおんなじやな。
    おもろいところやろ?
ミツオ:コノテイドノ科学力デ人類ヲ代表スル組織ダナンテ
    オコガマシイトオモワナイ
 紅蘭:アハハ。言うなぁ、ミツオ君。
たまき:紅蘭、ちょっとこっちに来てよ。
 紅蘭:なんや、もう。

たまき:・・・あの子、なに?
 紅蘭:なにって、迷子やろ?
たまき:私には地球人以外の何かに見えるけど。
    ・・・少なくとも、ただの迷子には見えないよ。
 紅蘭:地球人以外?ミツオ君が? なにゆうてんねん。
    ホリイはんも言ってたやないか、宇宙人なんかおらんって。
    おらんもんがどうしてここにおるの?
    まあ、確かにちょっと変った子やけど。
ミツオ:ボクヲアガメテ。
たまき:うぅ〜?

ホリイ:反応、消えよったなぁ。
    本部内のセンサーの設置のしかたに問題あるんかな・・・。
    それとも、ディシーブされてるんかなぁ。
 レナ:一体何者なの?その侵入者って。
    やっぱり、「アレ」?
ホリイ:本部のあらゆるディフェンスを簡単に突破してきたんや。
    おそらく、高度な科学力をもった異星人・・・。
    ついに連中も、ここに目をつけたって事やな。
    ・・・民間人には、TPCの地球外生命体交渉計画のことや、
    それで宇宙人とコンタクト取ってることは、まだヒミツやで。
 レナ:・・・うん。わかってる。

 紅蘭:やあ、ホリイはんとレナはん。
    問題はかたづいたんか。
たまき:・・・・・・・・・・・・・・・どうも。
 レナ:
ホリイ:ああ〜!?

ミツオ人捕獲

ミツオ:コンニチハ。
    ネェミンナ、ヒレフス
ホリイ:ええっと、紅蘭。・・・それ、どうしたん?
 紅蘭:この子は迷子みたいなんや。
    ホリイはん、館内放送でこの子の親、探したってんか?
    ミツオ君、歳いくつ〜?
ミツオ:ヨク、ワカンナイ。イッパイ。

 レナ:あれが、高度な科学力をもっている・・・?
ホリイ:異なる文化を自分の文化の物差しで計るのは、
    大間違いのもとやと歴史が教えてるで。

    ・・・とはいえ、認めとうない気もするな。
 レナ:ホリイ隊員、どうする?
ホリイ:とにかく、隊長に連絡や。
    
たまき:あの〜、皆さん。これってなんなんですか?まさか宇宙人・・・
 紅蘭:せやから、迷子のミツオ君やって。
ホリイ:これは迷子の子供や。
 レナ:・・・迷子、らしいよ。
ミツオ:ボク、ミツオクン。
たまき:・・・そうか。アハハ。
    そうですよね〜。いい歳してなに言ってんだろ、私ったら。
    宇宙人なんているはず・・・ないですよね。
ホリイ:うん。おらんよ。きっぱり。
 レナ:(・・・ごめんね。)

ミツオ:ココノ走査オワッタカラ、
    ボク、カエル。
 紅蘭:一人で帰れるんか?
ミツオ:ダイジョウブ。
    ソトデ、オ友達ノミコチャンガ待ッテルノ。
 紅蘭:ホンマ?気ぃつけてな。
ミツオ:ミンナ、マタネ。

ホリイ:あっ、待って。キミ一体どこの星から・・・。
ミツオ:バイバ〜イ。キリキリキリキリ〜♪
たまき:・・・飛んでって消えたよ。あの子。
 紅蘭:最近は、いろんな子がおるな。

 レナ:逃げちゃう。追いかけないと。
ホリイ:よっしゃ。
   
(ピピ)ヤズミ、センサーで追跡や。
ヤズミ:・・・駄目です。モニターしてましたけど、一瞬でロストしました。
ホリイ:やられたな。
たまき:ホリイさん!レナさん!今の子、飛んでって消えましたよ!?
 レナ:ああ、・・・うん。
ホリイ:ホンマ、お行儀の悪い子やな。
    日本は子供の教育を根本から考えんといかん時期にさしかかってる。
    キミはそう思わんか?
    今のうちに手をうたんと、後で大変な事になるとボクは思うなぁ。うん。
たまき:えっ?それは私もちょっとそう思いますけど・・・。
ホリイ:そうか。ほな僕らは同じ考えを持っているわけや。
たまき:・・・いやその・・・はい。
ホリイ:よしよし。(ピピピピ、ピピピピ)はい、ホリイです。
    ・・・はい、わかりました。
    レナ、隊長のお呼び出しで司令室に集合や。
 レナ:は〜い。

 紅蘭:うちら、どないしよ。
 レナ:今日はもう一緒にいられないから、申し訳ないけど、また今度ってことで・・・。
 紅蘭:もともとレナはんはお仕事中やったからな。
    ほな残念やけど、うちらは帰るわ。
 レナ:ごめんね。
たまき:・・・・・・。

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なんだかバタバタしちゃって、あんまり基地の中を見学できなかったけど、
刺激的な一日でした。
それにしても、ミツオ君ってほんとにただの迷子のかなぁ。
私だって常識のある大人ですから、宇宙人なんていないって思いますけど。
・・・でもなぁ。

何か間違っている気もするんですが、
とにかく、
・・・おやすみなさい。

   
 



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